2001年3月9日金曜日

陶芸家の鉢

青磁貫入丸型樹盆 羽二生隆作 直径33cm
 


羽二生隆氏は私の住む千葉県の松戸市の隣,柏市在住の陶芸家です
私は直接の面識はありませんが、私の近くの盆栽愛好者の方が焼き物が好きで
昔から羽二生氏のところへ出入りし、その作品を幾つか所蔵しています
その方とも私はかなり親しい間柄なので、以前からこの鉢を譲ってもらいたいとお願いしていました
この鉢は、20数年前にその方が所有していた東福寺の型を、特別に写してもらったと聞いています
たしかにその方のところに同型の東福寺があって、私が譲り受けた記憶があります
もう少し小さかったようなきがします、それに釉薬は織部でしたし足の形も違いました

ところでこの形のよさは何ともいえません
適度に使い込んで時代ものって青磁の色合いに深みがあります
更に、さすが陶芸家の作品と感心するのは、鉢底の様子です
たっぷりと厚めにかかった青磁の釉薬がきっちりと足からはみ出さずに止まっています
たいしたものです
今では羽二生氏は鉢を焼かないと聞いています
それにしても氏の焼いた盆栽用の鉢では、最高の傑作です
毎日床の間に飾って眺めています
 

2001年3月7日水曜日

大助鉢の傑作


瑠璃隅切り金絵付け長方鉢
(るり・すみきり・きんえつけ・ちょうほうばち)
佐野大助作
13cm×10.6cm×5cm

心山と大助の合作鉢です
大助は大正8年生まれといいます
この鉢はおそらく昭和40年代の作でしょう

白地に山水、風花鳥月、人物等の五彩絵や赤絵が多い大助鉢としては
瑠璃色の地に金で蝶と蔦をデザイン画ふうに描いたものは珍しい
四面に同じ図柄が描かれています
生地は半磁器でしっかりとできていて、形、大きさからいって
実用性にも優れている
瑠璃の色が抜群の発色であり
絵も充分に余白をとって秀逸のできです

どの分野でも作家とは悲しい存在らしく
正直、存命中はその作品の評価価値は上がらないことが多く
大助鉢もその健康が危ぶまれた頃から
徐々にその値が上がり始めたました
先月の末に亡くなったといいますから
これからも値を上げていきそうな気配です

まして佐野大助さんは個性の強い人で
自分で作り、自分で販売していたためからか
今までその作品自体の評価のわり
取引価格が安かったようです

かなり多作で、世間に出回ってはいますが
心山と合作のものに傑作が多く
逸品はこれを機会に再評価されると思います

この鉢はさる愛好家にお願いして
出品して頂きました

2001年3月4日日曜日

国風盆栽展の歴史

国風盆栽展(全)写真帖(初回)


国風盆栽展覧会は昭和年三月十七日より廿三日迄
上野公園東京府美術館に於て開催す。会長は松平頼壽伯、副会長は酒井忠正伯
美術館に於ける最初の展覧会なり出品は予め詮衡(せんこうと読む)委員により撰ばれ
陳列の後更に審議決定せるものにて其席数九十六席。(旧漢字は改めました、文体そのまま)

と、写真の下に説明がかいてあります
私もこの美術館は知っていますが、自動車の型の古いこと、クラッシックカー

それまでは庭園や大きな料亭の座敷などで盆栽の陳列をしていたんですね

国風展はこれを初回にして今年で74回目を迎えたわけです
盆栽界の中には全74回写真帖を揃えている方もいるはずです

10数年前に、私もと思ってこの初回本を買って(なんと10万円出したのだ)出発点にしたつもりが
一桁分がまず見つからない、やっとあったとしても高くて買いきれないのです

30回台になるとけっこう目にしますので揃えてありますが、途中で挫折です
そんな訳で初回本がポツントあってその後は30回台までありません

ときどきだして見るうちにフト気がつきました
この本の表紙第一回とか、初回とか書いてはありません

と記してあるだけです、はて
昭和九年といえば長い長い戦争の時代に突入する前の軍国主義の盛んな時代です

きっと先人達は自分達の愛好する盆栽を
世の中にメジャーな趣味として啓蒙するために
先の見通しはともかくとして
蛮勇を持ってもって開催したのだろうと想像しています

まさか悲惨な戦争を乗り越えて今日まで
これほどの歴史を重ねることの確信は持てなかったでしょう

とにかく貴重な資料です
 
上が会長の松平頼壽伯爵の小品盆栽です
三つの棚に真柏、杜松、五葉松、木瓜、かいどう、岩柳など
五葉松(大正十二年浅間山押出自栽)
黄楊木(同十五年四月十国峠自栽)
などの説明があります
松平候は奥様と二人で小品盆栽を愛好し
山采りをされたと聞きます

下は副会長酒井忠正伯爵の小品盆栽飾り
やはり三つの棚に杉、真柏、けやき、桜草、寒椿、姫いたびなど

二席とも素朴な感じですね

埼玉 松谷乙楠氏 という方の席で左から真柏、寒木瓜石付、捩幹榴です
三点飾りにしては大きさの調和が取れていないように感じますが、素朴で気どらないのが面白く感じられます

真柏(高二尺二寸)とありますから大物ですね、現代ではこれだけで一席です、面白いですね
 
この席は三人で一席です、左から富田仁生氏垂糸かいどう
関口仙太郎氏、杉、斉田泰正氏、五葉松となっています

ちなみに斉田氏東京巣鴨芳樹園という戦前の名園のご長男で、私はあってその弟さんの斉田展司芳松園さん
親しくしていました。展司さん明治40年生まれでしたから(なぜ覚えているかといえば私も同じ未年だから)たっしゃでいれば
93歳ですが、先年亡くなられました

ともかく皆さん、どんな印象を持ちましたか?
て大事ですね

の盆栽と現代の盆栽と、もの飾り方もちょっと印象が違うと思いませんか?
そのことについては、いずれまたお話しましょう

2001年3月1日木曜日

水石の魅力


加茂川産 茅舎石(くずやいし) 銘 夕庵(せきあん)
16.0x11.0x11.2cm

5年くらい前に手に入れたもので時代もよく、うぶ石「加工していない)なので気に入っています
手に入れてから見つけもかえ、台座(紫檀も新調しました。大きさも手ごろですね。
ちなみに、茅舎というのはかやぶき屋根の家です。


根尾谷産 菊花石 銘 旭光
5.5x3.8x4.8cm

絶海の孤島に旭が昇る景色です
手に入れてから台座を新調して 
銘も私が付けました。ちっちゃくって 
かわいいでしょ。
付け加えますが、けっしてくつけたものじゃないですよ。

2001年2月10日土曜日

女性会員の小品三点飾り

松戸支部記念展示会より

当ホームページの愛好家ご訪問で紹介している井手司子さんの作品です、女性らしい繊細な感じでしょ
さすがに年季が入っているので、樹と鉢のバランスがいいです
それに飾り棚に比べて盆栽の大きさがちょうどいいので、すっきりと空間がきれいですね
余談ですが最近の小品飾りは、棚に比べて盆栽が大きすぎるのをよく見かけます
盆栽ばかりが目立ってはいけません
空間の美というものを感じられる飾りを心がけましょう
きゅうくつでなく
ゆとりのある
それでいて緊張感のある空間
そのお手本のような井手さんのこの飾りです
拍手!

2001年2月9日金曜日

小品飾り


松戸市の岩佐不二夫さんの小品飾りです、てんばは黒松
二段目に楓と梅もどき
下の段は杉とケヤキ
はねだしはチリメン桂
黒松が特にいいですね
全体のバランスも良く整っています

岩佐さんは黙々と努力の人です
目立たない人ですが気がついたら
こんなに上達していました
みんさんでビックリと賞賛の声!

2001年2月8日木曜日

思い出の山もみじ


松戸支部記念展示会より

高橋実さんの山もみじです、じつはこの山もみじは懐かしい盆栽なのです
かれこれ20年も前に私が手がけたものです

今は樹功65cmくらいで足元の直径はやや10㎝にもなる、立派なものに成長しましたが
当時はその全てが半分くらいで、若い素材に毛の生えたくらいの感じでした

十数年ぶりのご対面で、あまりの樹格の向上にビックリ
当時から素質はありましたがこんなに出世しているとは!
嬉しいですね

肌もいいし小枝もよくほぐれています
鉢の間口がやや小さい感じですが
ゆるめると枝があばれますから、培養時にはこのくらいのほうが無難でしょう

ともかく嬉しかったでね4