2006年2月25日土曜日

もみじ植替え3

さて、植替えの最終段階、植え付けです


用土は赤玉土8:桐生砂2の割合
まず、鉢底に荒めのゴロ土を敷きます


ゴロ土の上に植え土を少々入れます


ここが肝心!

植え付け位置や角度をしっかり決めます
一度決めたものを訂正するときは、ゴロ土を入れる段階からすべてやり直します(絶対条件)


ここも肝心!

据えつけた盆栽が浮かないように素早く針金で仮止めします
浮いた盆栽の根の下に空洞を作らないためです


盆栽が浮かないように根元を押さえながら、しっかりと針金を締めます
十文字の方向の針金もしっかりと締めます

要は、固定した盆栽が動かないこと、しっかりと針金を締めてください

つづく

もみじ植替え2

仕立鉢で育てた盆栽がいよいよ化粧鉢に植えられ
これから「本格的なミニ盆栽」としてデビューしていくのです

それには、まず、さらに小さな鉢に入れられるように「根」を作らねばなりません
そうです、根の追い込み作業です

枝と同じように、根も追い込んで作っていくものなのです
この「根の追い込み」という認識は、盆栽人にとって非常に大切です



根の底部を追い込みます
根張りを発達させるために大切なことです



かなり薄くなってきましたが、もうひとふんばり
竹べらで丁寧に底部の土を削ります



鉢に入るかどうか試してみます
根の側面はまだほぐされていません、最後にその追い込みにかかります



側面の土をほぐし、根を追い込みます
この場合、鉢の形(長方形)も意識してくださいね



根さばき完成

ここで復習です

原則として、根をほぐす順番は

1 根元付近
2 底面
3 側面

の順ですよ

つづく

もみじ植替え1

今頃が山もみじの植替え適期です

晩秋から初冬にかけ(紅葉の晩期)のほんの一時の間冬眠したもみじも
12月になると早くも根は活動を始めます

その頃になって枝を切ると樹液が滴り落ちることから
もみじの休眠期と活動期を知ることができますね

ですから、表からは未だ休んでいると思われる盆栽も
根は来るべき春の芽出しに備え、すでに動き始めているのです

芽が動き始めてからでは遅すぎますよ
さあ、みなさんも植替えを始めましょう



樹高7.0cmの山もみじ、仕立鉢で20年も作りこんだ逸品です、根もよく出来ていますね

用意した鉢は一蒼鉢の辰砂長方、ちょっと深いと思われますが
根の容積からこれくらいと考慮しました




鉢の準備

敷き網と固定用の針金をばっちりと
植替えの失敗は、このような下準備不足の場合が案外多いですよ


根をさばく順番は、まず根元
根張りの確認から始めます


根元の次は根の底部
鉢の深さを念頭に入れながらほぐします

同時に根の観察も怠りなく
綺麗な色の子根がよく発達していますね

今までに適切な植え替えが繰り返されてきた証拠
(枝と同じく徒長させてはいけないのです)
子根がよく発達していることがいい盆栽の大切な条件ですよ

根は人間でいうと「内臓」なのです


この段階まではハサミを使っていません
手製の竹べらで充分です

つづく

2006年2月7日火曜日

石州・香山鶏血釉の比較

長らく休筆しました
ごめんなさい

さて

石州と香山の他には陶翠の鶏血釉もよく知られていますが
東福寺の作品ではあまり見かけません

しかし、一口に鶏血釉といっても作家によってその持ち味はかなり違いますね
今日は市之倉石州と平安香山の作品を比較してそれぞれの特徴を見てみましょう



市之倉石州 間口7.7×奥行7.7×高さ3.6cm

こってりと量感のある釉薬
鮮やか過ぎるほどの鮮やかさです

しかし、石州はその鮮やかさに少々の黒っぽい釉薬をもってアクセントをつけ
陰影の効果をねらっています



平安香山 間口12.3×奥行12.3×高さ4.5cm

石州とはやや異なった色彩です
釉薬の量感もさらっとしていますね

このように、香山の鶏血釉には白っぽい窯変がよく見られます
これも鶏血釉のくどさを和らげるための作者独自の工夫なのでしょう

このように作家は独自性を表現するために心血を注いできたのです

鑑賞する側のみなさんも釉薬鉢の微妙な相違や変化を見逃さないように
平素から色彩に敏感になる心がけが大切ですよ

では

2006年1月15日日曜日

長寿梅改作失敗

過去に何度も「長寿梅の石付」の石を外して成功し
中には、中盆栽で国風展にも入選可能なほどの名品をゲットしたこともあります

で、先日ある盆栽展の売店に並んでいた長寿梅の石付に見込みをつけ買い込みました
今回もいい小品をものにできるかな?



石付の長寿梅
骨格はほとんど出来上がって、とくに差した枝が魅力的
小枝もほぐれ始めています

石を外して根上がりにしようともくろんでいます
さて



うまく石が外れました
利いた根もあるし全体の図も予想通り



と思いきや

あれ!
裏側の根がない!



慌てて根の周辺を洗ってみました

(右側面からの図)
あれれれ!
ケト土で隠れて見えなかったのですが、根が腐ってトロケテしまってました

これには参った、まるで一方足で立っている鶴のようです



裏側からの図です



正面から見るとけっこうな図柄をしているんですが
裏側の根がないのではモノになりませんね

功を焦って、買う前によく観察をしなかったせいです
(値切りすぎて罰があたったかな)

残念ながら今回は失敗の巻きでした

みなさん、焦りは禁物ですぞ!

2006年1月10日火曜日

東福寺の創作意欲

自らの家族の生活さえも犠牲にするほど陶芸の世界に没頭した東福寺
その彼が生涯持ち続けた精神世界が、残された作品から窺い知ることができます

例えば今日ご紹介する高取釉の作品
おなじ高取釉であっても、それぞれはまったく違った印象のものなのです

ある次元に到達しても「憑かれた男・水野喜三郎」は安住を求められなかった証がそこに見られます
次々と湧き上がる創作への意欲が彼を前へ前へと突き動かし続けたのでしょう


典型的な高取釉
渋さのなかに高取特有の華やかさがあります

茶と黒のコントラストの鮮やかさがため息が出るほどに魅惑的で
並みの作家ならこの高取釉だけで充分に満足できるものです

しかし、東福寺は


高取釉一対


土目も釉薬の印象もまったく違ったこの一対鉢を作っているのです

茶の部分は飴釉(あめゆう)に似て半透明、黒の部分に雪のような白い釉薬が混じっています
さらに釉薬は掛け流して変化を強調しています

どちらも初期の作品ですが、作出の前後はわかりません
みなさんはどう思いますか?

ともかくこのように、高取釉をt例にとっても
東福寺の創作意欲はもの凄く、飽くことを知らなかったと云えましょう

2006年1月3日火曜日

冬来りなば・・・

明けましておめでとうございます本年もどうぞよろしく

冬来りなば・・・、と云いますが、ときはすでに新春
私達の目には見えないところでも間近な春に向けての営みは進行中です

ついこのあいだ紅葉していたもみじ類も12月も半ばになると活動が始まり
うっかり枝を切ると切り口から樹液が涙のように流れ出してしまいます

小品盆栽の冬囲いの中で肩身狭く居候している山もみじの双幹は
私が6年ほど前に手に入れ市内の愛好家さんに買っていただいたもの

順調な培養を続ければこんご5年以内で国風展に入選間違いなし
そう確信を持っている逸材です

今回縁があって再び私のところへ戻って来たのですが
そのときには、落葉後の剪定時期は過ぎていました



落葉後の枝の整理をしていないので、ところどころに徒長枝が目立ちますね
しかし、ここは我慢のしどころ、3月になるまで待ちましょう

植替えと同時に小枝の剪定をするのです
根を切られた場合は、活動は一時停止され樹液は流れないのです

ベテランの方はとっくに知っていることですが
初心から中級くらいの方は良く覚えておいてくださいね

目には見えないところで植物は活動を活発にしたり休止したりしているんです
その植物の動きが目に見えるようになること

それを今年の目標にしましょう!

では