ラベル 水盤 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 水盤 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2009年8月18日火曜日

水盤と水石 2

砂敷きを楽しめましたか?

水盤にきれいに敷きつめられたしっとりと湿り気を帯びた砂を見ただけで
いろいろな連想が働いてくるのは、あながち水石愛好家だけではないでしょうね


峻険な感じの連山石を据えてみましょう
据える位置、つまり左右だけでなく前後の間合いにも注意をはらいながら、慎重に

据えたあとに下方に向って両手でしっかりと圧力をかけ
砂にやや食い込むくらいにします


圧力をかけたので石の根元が盛り上がってやや乱れる場合があります
これもヘラでしっかりと均して整えます


完成

裾野に湖水を控えた峻険な連山、もしくは海上遥かに望む絶海の孤島の姿と見立てるか
それはあなたの連想が働くままに楽しめばよろしいのです


舟形石を据えてみましょう

このようにただ置いただけでは据えたとはいえません
石の根っ子が露出したままで不安定ですね

先ほど申し上げたように、両手でしっかりと押さえ下方に向って圧力をかけましょう


石と銅盤に一体感が出ました
詫びた銅盤の古さとしっかり時代の乗った多摩川の船形石の調和が最高です

これで完成
このあとはたまに霧水をかけて砂の水分を保ちながら楽しみます

では

水石と水盤 1

水石の鑑賞法は台座と水盤を用いる二通りの演出方法が主流

昔は水盤飾りが主流でしたが、扱いが楽なせいでしょうか、徐々に台座飾りが普及してきて
現代では台座と水盤飾りが半々という印象です

しかし初夏から夏にかけての暑い季節に、水盤に砂を敷きつめ水を張り
そこにお気に入りの愛石を吸えたときの清涼感は格別ですよ

さて、今日は銅盤を用いて水盤石の初歩から勉強しましょう


購入した砂はあらかじめよく洗っておきましょう
要領は、お米をとぐ場合と同じです


洗った砂はよく干して保管する

ちなみに、用いる砂の質はあまりに白っぽいものや粗めのものは避け
粒子の細かい落ち着いた茶系統のものが上品です

そうです、ちょうど茶室の京壁のような色ですね


間口17cmほどの古色感のある楕円銅盤
やや多めに砂を入れます


枡でお米を計るように、スリキリ


スリキリいっぱいだとちょっと多いので、縁よりも数ミリ低く表面を均します
柔らかめの小箒がポイント、硬い箒ではうまくいかない


きれいに敷きつめることができました
砂の量は縁の内側を基準にして多過ぎず少な過ぎず


砂が乾いたままでは海や湖水のイメージが湧きませんね
それに据えた石の落ち着きもよくありません

水盤が小さい場合は噴霧器で、大きい場合は如雨露で
しっかりと湿らせましょう


コテやヘラ(この場合はもんじゃ焼きのハガシ・笑)などを使って
さらに丁寧に砂の乱れを直します

ともかく、ただ漫然と砂を敷くという感覚ではなく
この何気ない一連の動作を”静かな気持ちで楽しむ”つもりでやってみましょう

つづく

2008年8月6日水曜日

謙斎銅盤の思い出

私が謙斎の銅盤にはじめて出会ったのは20代の前半
入ってみたはいいが盆栽界の右も左もよくわからず、かといって好奇心だけは旺盛な年ごろでした

私は数年前に東京から新開地の松戸に移住したばっかりでしたが
そこから直線距離で2~3キロの隣町に、当時日本の水石界で大家と謳われたSさんがお住まいだったのです

そして、東京の大先輩の業者のN師の導きでS家への出入りができるようになり
Sさんから水石についてのさまざまの薫陶を受けることになったわけです

そのころには作者・謙斎はかなり高齢ながらも健在であったようで
Sさんもかなりの数の特注品を所有しており、未使用の水盤も物置にたくさん積んでありましたっけ

それらの中で、作柄がいいなと思う水盤の裏側をよく見ると
真ん中に「謙斎」と印された落款がある他に、足の際の隅に「一雨鑑」という刻印も捺されていました

それが、後に景道片山流の始祖となる片山一雨翁の落款であることを
Sさんが懇切に教えてくれました

謙斎は注文品が仕上がると、それらの鑑定を片山一雨翁に依頼し
その中から特に上作と認められたものにのみ「一雨鑑」の印を捺したそうです

また、謙斎の円熟期は昭和の30年代から40年代にかけてであったようなことを
Sさんの口からじかに聞いた覚えがあります

以来40年、今では私が当時のお二人の年齢になってしまいましたが
謙斎水盤に接するたび、水石の道に導いてくれたSさんやN師のことが懐かしく思い出されるのです

また、吸収力のいいあの時期にSさんやN師に出会っていなければ
きっと私は、本格的な水石の真髄にふれることができずに、40年が過ぎてしまったことでしょう



昭和30~40年代にかけての作品と推定され、作柄もよく使い込みの味が抜群
足以外のボディーは、いわゆる一枚の素材からの「叩き出し」の技法によるものです

落款は「謙斎」とあり、さらに「一雨鑑」の印も捺されている逸品です



縁の拡大図
このデリケートな曲線は熟練の高度な技が造りだします



優雅で繊細な姿
発注者の意匠力と作者の技が重なり合って逸品となるのです



材質のよさが見て取れる底のようす

間口34.2×奥行19.8×高さ2.0cm

2004年9月10日金曜日

名水盤

江戸後期から明治にかけて知識人の間で盛んであった文人趣味の影響が 
現代にも「文人木」として色濃く反映されています

明治中期以後、文人趣味の精神性は水石の世界へとひろがり
中国の清に独自のデザインの水盤を発注するようになり、それらが名品として今日に伝えられています

それらの名品は「用の美」といわれる、造形的美しさに実用機能もしっかりと備わった優れもので
特に留佩(りゅうはい)・珠佩(しゅはい)の落款入りのものが有名です

またその優れた様式は「型」として盆栽界・水石界の定番として評価が定着し
留佩型・珠佩と呼ばれ珍重されています



白交趾楕円水盤    間口15.5×奥行11.3×高さ2.2cm  (中国清朝末期)

いわゆる留佩型・珠佩型と呼ばれる簡素な単口(ひとえぐち)の切立で
足の作りも切り足風に見せて胴の面から内側には入っていない形です

簡古素朴な形状をむねとすることが「用の美」の理にかなうという信条から
装飾性は極限まで排されています

それだけに、この類の水盤は飾った水石と一体になり、引き立て役としての評価が非常に高く
水盤の名品・逸品の名を欲しい侭にしているものが多く存在しています

特にこのようなミニサイズの水石用の水盤は希少です


すっきりとした側面をのぞく角度より


足は胴と別に作られ後付された「付け足」であることがわかります
故に↑での解説に「切り足風」と述べました


留佩(りゅうはい)珠佩(しゅはい)の系統以外の白交趾水盤には見られない堅牢な土目
高温の焼成により雅味深い趣をていしています

2002年8月10日土曜日

草物盆栽と水盤


例の農家のおばちゃんのところにもっといい草物がないかと出かけてみました
ピッカピカの太陽がまぶしい、頭が焦げそー

真夏の真昼間には農家の人たち仕事をしていません
朝5時ごろの涼しいうちに畑へ出て一仕事
10時か11時には一度引き上げます

日中の暑い時間帯はお休みタイムです

午後の4時ごろになっていくらか気温が下がってくると
また畑に出かけ日没までお仕事です

真夏に体力を消耗しない昔からの生活の知恵なんですね

それはともかく、桔梗が咲いていました
背の高い植物の品種名は(?)
教えてもらったけれど忘れちゃった!
入梅ごろ黄色い花の咲く、草ではなく木だそうです

早速家に帰って陶翠(とうすい)の丸型水盤に入れてみました
はじめから狙っていたんです
この水盤を使えば、ピッタリだと

みなさんはどう見ますか?

残念ながら、水盤が少し大き過ぎました
鉢の縁(えん)もきつい感じです
このように、雰囲気づくりはけっこう難しいんですね
反省!