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2011年4月15日金曜日

紅千鳥もみじ挿し木(その後)

紅千鳥もみじ挿し木の経過報告です

2月26日に挿し木、その後1ヶ月くらいして挿し穂の芽が動き始め
4月に入ってはそろそろ芽がほころびかけ始め、とうとうこの1週間(桜満開)で新芽が伸び始めました


4月4日撮影

戸外に置いてある親木の芽の様子
この親木から挿し穂を採取しました


4月4日撮影

挿し穂の様子


4月4日撮影

冬芽がついにほころんで芽が動き始めました

ビニールハウスの中の棚下に置かれ、さらにビニールドームで覆われているので
戸外で春の陽光を浴びている親木とは芽の色が違いますね

でもとにかく、挿し穂は色つやもよく
伸び始めた新芽もいきいきとして、希望がいっぱいの感じです

さて、現在はどうなっているでしょう?


4月14日撮影

ビニールドームごと棚の奥からやや日の当る前面に置き場所を移しました


4月14日撮影

どうです!みごとに芽が上がっているでしょ
この一週間くらい気温が上がったので、たちまち芽が伸び始めたんです

ただ喜びすぎてはいけませんよ
まだ発根してはいません

いま穂木は必死で生きようし、切り口から水を揚げ、穂木に蓄積された養分でやっと芽を伸している最中で
やがて、葉で作られた養分が穂木の元へ下がって発根するするわけです

おおよそあと半月くらいが峠で、発根すれば水揚げはさらに容易になり
それにより葉においての光合成はさらに活発になり、さらに根が発達するという仕組です

現在はそうしたイイ循環になるまでの我慢のとき
がんばれ~、紅千鳥!


4月14日撮影

早い穂木は3節も伸びていますよ


4月14日撮影

ところが、挿し木をした3鉢のうちの1鉢に病原菌が侵入した形跡がみつかりました
赤矢印で示した穂木が黒っぽく変色していますね

よく観察するとこれらの穂木の芽は動いていませんね
これが怖いんですねー、蔓延すれば全滅もありえますねー

これからも鉢内の過湿は厳禁です
水やりは10日に1回

という現況です

2011年3月24日木曜日

紅千鳥もみじ挿し木(続編)

大震災発生から13日目

死亡された方や安否不明の方の人数は日をますごとに増え
改めて地震と津波の脅威を知らされています

一方では被災地においても、救援物資が徐々に届き始め
一部の地域では復旧の足音もきこえはじめているようです

しかし、福島原発の問題はまだまだ厳しい状況にあり
余談をゆるさない状態が続いていることにまちがいありません

そんな中での、今日は大震災から3回目のつれづれ草です

先日お知らせした「紅千鳥の挿し木」で、ひとつ大切なことを忘れてしまっていたので
その後の経過とともにぜひとも大読み下さい


挿し木の発根促進剤「オキシベロン」は非常に微細な粒子で粉状になっています
この促進剤を切り口にたっぷり塗ってから挿し木すると、かなりの効果があります(今回の紅千鳥にも塗りました)

使用法は、挿し穂を濡らして切り口に塗ってもよし
また少量の水で練ってから塗ってもいいでしょう

市販されている発根促進剤は他にもあります
手に入るものを適宜にご使用下さい

これらは取り木の発根促進にも有効です
小品盆栽愛好家としては常備しておくことをお勧めいたします

私たちが盆栽の道に入った数十年前から、ぼちぼち使われるようになってきたこの手の薬品ですが
当時はまだそれらに対する盆栽人の信頼感は薄く、も昔ながらの経験による技法が主流でした

しかし、科学の進歩とともに改良されたこれら薬品の効能は
今や折り紙付となっていますから、ぜひお使い下さい

これが忘れていた大切なことでした!


3月23日の状態

心なしか、数日前よりも芽が大きくなっているような気がします
いずれにしても鮮やかな赤みを帯びた挿し穂とその芽がみずみずしく見えますね


拡大した部分です
いい感じですね、このまま芽が大きくなってほころびはじめればシメたものです


こちらも拡大した部分
まるで今にも芽がほぐれそうな気がしますね

楽しみですね!

2011年3月19日土曜日

紅千鳥もみじ挿し木

東北関東大震災の被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます

まさに国難と云える大災害が起きてしまいました

地震と津波のもの凄さは言葉では尽くせないほどですが
同時に発生した福島原発の問題も、現在非常に厳しい状況が続いて、まことに心配です

気がつくと、既に大震災発生から9日目になりますが
春の大切な手入れの季節なのに、ちっとも仕事がてについていません

これじゃいかん、元気をださなきゃ
こんな時こそ各人が自らの職分に励むことが、日本の復活に寄与することだ

この数日、自らをそう鼓吹しつづけて
やっとのことで放心状態から立ち上がって、このつれづれ草を書きはじめました

さて、そこで、今日の話題は将来への夢がふくらむように
初心者からベテランまでが楽しめる、挿し木についての話題です

素材は私の大好きな紅千鳥もみじです
ここ何年も紅千鳥の挿し木苗を探しているのですが、まったく手に入らないので

とうとう自分で挿し木する気になったのです
それで、冬中に挿し穂がたくさん採取できる種木を仕入れておきました

一般に、もみじの挿し木は初心者には難しいとされ
業界でも、挿し木専門のプロの領域に入っているので

みなさんが実行して、活着率は数%くらいでも悲観することはないし
もし、50%くらい活着したならば、大成功と喜ぶべきでしょう

挿し木の時期は、2月ごろに前年枝を使う方法と
入梅時期に当歳枝(春の新梢)を挿す方法があります

入梅挿しは昔から行われている方法で、活着率もいいのですが
過湿に陥って病気が蔓延し、全滅なんてこともありますから、その点に気をつけましょう

今回の挿し木は、前年枝の3芽(3節)をつけた8~10㎝くらいの挿し穂を用い
2月26日に作業しました

ちなみに、用土は赤玉土の極小と鹿沼土のやはり極小を半々に混ぜたものですが
その他にも市販されている挿し木用土がありますから、それらを使ってください

それと、これらの用土を使っても鉢内の水はけのいいように
底にはゴロ土を敷いて水はけのいい環境を忘れないように


挿し穂作りのポイント

切り口はなるべく面積が大きい方がいいので、節のやや下方を斜めに鋭利な刃物で切る
反対面をわずかに切り返す


反対面をわずかに切り返す
挿し穂が完成しました

用土にやや湿り気を与える
棒や千枚通しであらかじめ小さな穴を開けてから穂を挿す

この場合、斜めの切り口の上の節は必ず用土の中に埋まるようにする
その節の近辺から発根する可能性があるからです


穂はやや斜めに挿す
挿し終えたらたっぷり水をやり、農業用のビニールドーム(大きなホームセンターにある)などで乾燥を防ぐ

以上が2月26日に行った作業です

さて、それから約20日間が経過したの観察してみましょう


8号仕立鉢に受け皿をつけて、ビニールハウスの棚の下でご覧のようです
棚下に置く理由は、日中に日光が当ってドーム内の温度が上がりすぎないようにするため

水やりは20日の間に、この日をふくめてたった2回です
くれぐれも過湿を避けること、ですから、受け皿には絶対水を入れないようにする


挿し穂の乾燥するために空気中の湿度は保ちますが
用土の過湿は、病気の入るもとになりますから水のやり過ぎは厳禁です


挿し穂がみずみずしい感じなのがわかりますね
順調に水を吸い上げている証拠です

挿したときには固い感じだった冬芽がややふくらみかけ
鮮やかな色合いに変化してきました


紅千鳥特有の赤みがかった軸が
心なしか、なお赤みを増しているようです

希望が持てますね
やっと元気が出てきました

それでは
次の報告を楽しみに

2008年10月9日木曜日

紅千鳥もみじの特徴と見分け方

昭和のバブル期に登場した「紅千鳥もみじ」
当時あまりの人気に、「紅千鳥」のようであっても、厳格に判定すると首を傾げたくなる「類似種」も出回りました

春の芽出しは鮮やかなオレンジ色がかったピンク色ですが、入梅頃になると山もみじのように緑の葉になってしまうため
その後の見分けかがつかず、業界でもかなりのトラブルが続出しました

そして始末の悪いのは、上記の理由で「真性」と「類似種」の区別がつきにくいところから
盆栽界の悪しき習慣で、「だろう」が「だ」になってしまい、悪意でなくとも、最後に泣きを見るのは愛好家さんたちでした

紅千鳥の特徴は

1 春の芽出しの美しさ
2 やや小ぶりな端正な葉形
3 繊細な枝先
4 持込とともに真っ白に仕上がる木肌
5 取り木などの繁殖が容易である

などが挙げられますが

さあ、そこで問題なのは紅千鳥とその類似種を見分けるコツ
落葉期でも木肌の雰囲気で見分けが可能ですが、なったって今日ご紹介する葉形で判定するのが一番です

ちなみに、盆栽屋.comは生え抜きの「もみじ大好き人間」なので
「紅千鳥」登場の初期段階からこの判定法を身につけていましたから、トラブルに巻き込まれたことはありませんでしたよ

この方法は現在でも、専門の盆栽屋の間でも案外に知られていません
ですからこの記事を読んだ方は、今日から「紅千鳥の専門家」としてちょっと威張れますよ(笑)


今年取り木によってゲットされた紅千鳥の超ミニ素材(樹高4.0cm)

赤味がかった新枝の軸の色が紅千鳥らしい
でも、これは紅千鳥だよ、って言われなければわかりませんね

紅千鳥の葉

別な鉢の紅千鳥からから採取した葉、下の山もみじの葉とよく見比べてください
そして、その違いを発見しましょう (わっかるかな!?)

山もみじの葉

そうです、紅千鳥の葉は5ツに切れ込んでいますね
比べて、山もみじの葉は両端の裾に小さな切れ込みが入って正確には7ツですね

簡単なことですが、これが決定的な相違なのです

・「紅千鳥」は5ツに切れ込んでいる
・「類似種」や「山もみじ」は7ツに切れ込んでいる

のです

注)紅千鳥もみじの葉をよく観察すると、その中にたまたま「右の葉」のように
端ににちょっと切れ込みが入って(赤点の箇所)正しくない形のものが混じることもあります

これは紅千鳥が山もみじからの派生種であるため
先祖の血がたまたま出現することによるので、気にしなくても大丈夫

では