2004年3月14日日曜日

イボタ植え付け



気に入っているイボタの超ミニ
樹高わずか4cmでこの迫力、ちょっとは自慢してもいいでしょう?

でも、弱点もあるんですよ
彦山人の長方鉢が大き過ぎることです

しかし、時代感のある上出来の彦山人の鉢は、雰囲気としては映っています
イボタの成長を期待して、もうしばらくこの鉢を使うことに決めました

そこで、鉢の大き過ぎる印象を少しでも和らげる工夫を試みました
現在のイボタの植え付け位置は、鉢の真ん中です

イボタは向かって右方向へ立ち上がって
全体の重心が右半身にかかった姿です

この場合、盆栽と鉢の重心の釣り合いを取るには、盆栽の植え付け位置がポイントになります
つまり、向かって左方向にイボタを植えつけるのです



作業後の姿
気持ちだけでも鉢の中央よりやや左に植え付けました
(根張りを露出させたのは当然のことです)

いかがですか?
気持ちだけでも今までの印象とは違うでしょ?

わずか5mmくらい植え付け位置をずらしただけで
鉢の大き過ぎる印象が緩和されれば、この作業は意義があるのです

今日は植え付け位置の勉強でした

2004年3月13日土曜日

植え付け角度

植え付け角度や位置は盆栽にとって重要なポイント
盆栽を活かすも殺すも植え付け角度と位置しだい、といってもいいくらいです

この楓の懸崖も、この植え付け角度で大筋では正解なのでしょうが
さらにこの樹の長所を強調するには、と模索することが前進への第一歩です


根上りの芸と下垂した利き枝が見どころの楓
手に入れたときから、懸崖式の樹形をさらに強調したいと思っていました


予行演習で鉢を傾けてみます
鉢面よりも利き枝が下がった方が動きと変化が出るようです


実際の植替え後の図


右に傾けすぎたような印象ですね
私には、根上りの部分の勢いと張りが失われたような気がしますが
みなさんはどのように思いますか

2004年3月9日火曜日

盆栽用土

私の小品盆栽用に使っているのは
赤玉土と桐生砂の小粒と極小の計4通りです

上段が桐生砂の極小と小粒
下段が赤玉土の小粒と極小

盆栽用土は専門のプロでも、人によってかなり違います
それは、盆栽に対する考え方や培養条件の相違からきます

例えば、盆栽の急激な肥培を嫌う人は、粒が粗くしかも保水力の弱い砂を多く使いますし
太らすのが好きな人は、細かめの土、それも保水力の強い赤玉土主体にします

個々の盆栽も、樹勢の強弱や培養のテーマによって用土や配合を工夫しましょう

盆栽用土のことは各種のマニュアル本などで言い尽くされているようですが
じつは奥の深いのが盆栽用土です

2004年3月7日日曜日

悪い癖

また私の悪い癖が出てきました

もう30年以上も仲良くお付き合いしている市内の盆栽愛好家のAさん
そのAさんの持ち物を欲しくてしょうがないのです

以前にこの欄で紹介した藤掛雄山の五彩の長方鉢
7~8年ほど前に私が買っていただいたもの、これが欲しくて欲しくて

ほんとに悪い癖ですね
お客様で、同じ年の親友で、同好の士

Aさんと盆栽や盆栽鉢の話をしていると、お互いに時のたつのも忘れて
午前様になることもしばしば、ほんとにいいお友達なんです

雄山の五彩の長方鉢で同じサイズ(間口13cm)のものは見たことがありますが
いずれも、この鉢の作柄には追いつくものではありませんでした

Aさんは、この五彩鉢と同形同サイズの雄山の赤絵鉢も持っています
機会をみて、Aさんにお願いしてみようと思っています

Aさんだって簡単には、うん、と言わないでしょうが、口説いてみます
一度挑戦しないと、人の持ち物をやらたらに欲しがる悪癖の虫が静かになりません



2004年3月6日土曜日

大助と巡り会う

昨日の午前中に、親しい年下の同業者から携帯に℡
「きょう、午前中いますか、ちょっと行きたいんですけど?」
「うん、来るんならいるよ、待ってるよ」

きょうは仕入れに出ようと思っていたのですが
何か用事がありそうな雰囲気なので、家で待つことにしました

待つこと一時間、彼はやって来ました、やはり用事があったのです

やや一ヶ月前、彼の、買ってまだ半年足らずの新車が盗難に会ってしまい
その車に私の貸した売店用のガラスのウインドケースが載せてあったのです

中古品ですから、いいよ、いいよ、気にしないで、と言っていたのですが
彼は義理堅くお詫びに来てくれたのです

二人で昼食を食べに行き、盆栽界の情報交換や世間話をして最中
「大助の絵のいいやつ、どっかにないかね」と何気に聞くと

「みやもっさん、俺、持ってるよ」
「えッ?持ってるの」
「うん、来る途中で、ちょっと寄ったところで、いいのがあったから、買ってきの」

出会いってのはこんなもんなんですね

天の神様仏様、どうぞ今日も明日も明後日も、いい盆栽と小鉢に巡り会えますように!
昨日のつれづれ草で私は最後にそうお祈りしました

そして分けてもらったのが、この五彩のすてきな大助鉢です
お祈りの効果は抜群でした!


佐野大助作 五彩正方樹盆(磁器)

大助初期の傑作
淡く抑えた色調で四面に見事な山水画が描かれています

このような大助作品を検証すると、雄山や月香と同じように
彼もまた、かの月之輪涌泉の影響を受けていたことがわかります

奔放かつ正確な筆致や構図、渋い色調などが際立っていて
大助作品の最高傑作に属します


樹木の描き方うまいですね、筆が走っています


山麓の集落の描き方が巧みで遠近感があります


点景の人物の動きもみごとに描き切っています


大助初期の落款

天の神様仏様、どうぞ今日も明日も明後日も、いい盆栽と小鉢に巡り会えますように!

2004年3月5日金曜日

盆栽の流通経路

親しい同業者のところへ寄り込んむと、この超ミニの長寿梅が目に付きました

「このチビ、いいね、売りものかい?」
「古いでしょ、栃木の方で信号待ちしてると、庭に盆栽棚がある家があってサ
そこへ寄り込んでわけてもらたのサ」
「ヘーッ、おもしろいね、いくらするの?」

というやりとりのあとに分けてもらったのが、この超ミニ長寿梅
樹高はわずか4.5cm

立ち上がりの迫力はなかなかの逞しさがあり、幹の古さはかなりのもの
枝分かれの自然さなどから見て、持込の古さは相当です


長寿梅 樹高4.5cm (推定樹齢は10~15年)

このように、見ず知らずの家の庭から盆栽業者が持ち出し
それを同じく私のような盆栽同業者が買ってくるなんて、ほかの商品では考えられませんね

生産者から直に仕入れることもあるし、オークションで落札することもある
愛好家が長年丹精したものを直接間接に分けてもらうことも度々

盆栽の仕入れについては、毎日が偶然の積み重なりのような気がします

盆栽の流通経路は多様で、これといった決め手がなく
どこへ行けば何がある、これがはっきりしていません

園芸品の場合は、生産者が園芸市場へ出荷
セリ市を経て、各小売業者の手に渡っていくとなどの経路を辿って行くのでしょうが

盆栽の場合はオークションを経る商品の割合は
そう多くはないはずです

盆栽の流通経路があいまいなのは、商品になるまでに年月がかかる、それに尽きるでしょう
このジレンマは改めようもありません

もちろん不便なことではありますが、仕方ないことです
嘆くよりも、偶然の出会いを心待ちして楽しむ気持ち、心のスイッチをこちらに切り替えましょう

天の神様仏様、どうぞ今日も明日も明後日も、いい盆栽と小鉢に巡り会えますように!

2004年3月4日木曜日

雄山六角鉢

この雄山の豆鉢、見た瞬間は古伊万里ではないかと思いました
手にとるとやや古伊万里とも感じが違うので、鉢裏を見ると雄山ではありませんか

二色の釉薬で大胆に縦縞を描くデザインは古伊万里をかなり意識しているのでしょう
素朴で大胆な意匠は成功しています




ただし、よく検証してみると、形は古伊万里とはかなり違って
雄山の個性が色濃く出ています

↑の二枚の画像をよく見てください
1点は足の形です

この足の形は雄山独特のものですし
文様も手馴れた雄山の定番のものです

2点目は弁の花のような柔らか味のある六角鉢ですが
よく見ると、各辺の中間が外へ向かって出っ張っていますね

この出っ張りは、盆栽鉢用語で「剣」(けん)といいます
古伊万里ではあまり見ない形です


六角の隅(角)も凹んでいるいます
剣があり、しかも隅が凹んでいるということは、ボディーをも複雑にします

磁器の粘土は粘着性がなく
このボディーを作る難しさはは、我々の想像を遥かに超えるそうです

高度な技術が要求される六角の隅入りの剣付は
この豆鉢を検証した場合、その点も評価点に加えるべきでしょうね


六角鉢で三本足、これが全体をすっきりとした感じに仕上げているのでしょう


何の変哲もない、六角の雄山鉢も深く検証してみると
話題はつきませんね

ひとつのものを作り出すということはたいへんなことなんです