2003年8月6日水曜日

鉢映り

にれけやきの名木が手に入ったので鉢映りの勉強をしてみましょう



瑠璃色の楕円鉢を使用しています、みなさんはどう思いますか?

鉢映りを検証するときには
鉢の形、色彩、間口、奥行き、深さ、そして培養面などを考慮に入れます

このにれけやきの場合は、幹の力に対してやや鉢の力が弱いようです
ちょと窮屈な印象を受けますね

左右1cmずつ間口の大きなものか
間口はそのままで、あと1cm深めの鉢くらいが適当だと思います

みなさんの鉢映りを見ていると、大きすぎることがほとんどですが
ベテランになると自信があるので、小さめの鉢に入れることが多いようです

その理由は
鉢を小さくすることにより、木が大きく力強く見えるからです
これは大切なことです

芽摘み遅すぎ

夏とはいえどウッカリしていると、けやきの新芽が伸びています
雑木の中でも特に気をつけなければなたない樹種なのに
これはいけません


さっそく指先の爪で欠き切ろうとしたのですが
すでに遅く、切れません

爪で切れないということは、芽摘みが遅いということです
芽摘みの適期は、指先の爪で切れるうちにやらねばなりません


爪で切れないので引っ張るような感じになる
けれど切れない
遅いんです
ハサミを使うようでは落第です

2003年8月5日火曜日

小鉢収集心得2








小鉢収集心得の1で次のことを申し上げました

1) 信頼できる先輩や業者などを見つける
   
2) 優れた作品に接する
   
さて次に心がけることは

3) 遊び心を持つ

以前紹介した松平伯爵をはじめとした戦前の愛好家は
遊び心に徹していろんなことに夢中になりました

小鉢収集の面でも、例えば「近江八景」などにちなんで
ある作家の小鉢を8個セットで揃え、「○○八景」などとして愛玩したことです
世上には「竹本十六景」が特に有名です

私も長い盆栽人生の中で「竹本十六景」と称するセットを二組所有したことがあります
すべて戦前にセットにそろえられたもので
竹本のそれぞれに傾向の違った小鉢を16個揃え、桐箱に入れたものです
じつに可愛らしいものでした

とはいっても、100年も前の作品を、たとえ8個でも揃えるのは大変なことです
私は現代作家の作品の小鉢セットを作ることをお勧めします

セットにする方法を月香鉢を例にとり解説します

1)は直径2cm、月香鉢としては一番小さい方でしょうから
これがセットの最小とします

次に3)ですが、直径6.6cmです、このあたりを一応最大のものとします
大きさは1~3の間で揃えることにします
そうすると2)は直径4.7cmですから大中小と3個セットになりました

3個とも形と傾向もそれぞれ違いますからグーですね
最低8個セットを目標にするとして
残る形は長方、楕円、木瓜式、、六角などが考えられます

また傾向としては赤絵、五彩絵付けなどですね

絵もそれぞれに傾向が違えばよりおもしろくなります
 






このように盆栽小鉢収集でも遊び心一杯の楽しみ方があります

要約すると

同一作家の作品で
小鉢(箱に入れる都合上小鉢がいい)
大きさ(大小さまざまがいい)
形(いろんな形がいい)
傾向(絵、釉薬ともいろいろ変化があるように)

などの違ったものを、先人の例に倣って

3個(三景・三態)
8個(八景)
16個(十六景・この数字はこじつけ気味ですが竹本鉢の前例があるので)
36個(三十六景・これは多すぎるけど)
揃えます

但し、急いではいけません
何年かかろうとじっくり集めます
その過程を楽しむのがほんとうの「遊び心」というものです

2003年8月4日月曜日

月香鉢の作風

月香の初期の作品と最近の作品を比べてみます


↑が最近の作品(推定10年)


初期の作品

初期の絵は細い筆で書き込んでいます
繊細な筆使いでありながら動きを感じる絵です
初期の初々しい作者の熱が伝わって来るようです

↑の最近の絵は落ち着いた静寂ともいえる雰囲気で
描きなれた様式美が見られます
月香独特の境地に入った感じともいえるでしょう

シゲシゲと眺めてみると同じ作家の絵とは思えないほどです
変れば変るものですね

もちろんこれは鑑賞する側の見方であって作者本人は
それほど変ったとは思っていないかも知れませんが

ともかく、絵付け鉢は絵が生命です
遠慮なく眺めて、遠慮なく批判して
より自分の好みの小鉢を見つけるための勉強に精を出しましょう

2003年8月3日日曜日

雄山鉢の絵

藤掛雄山作
錦手外縁隅入熨斗鮑図六角樹盆(にしきで・そとえん・すみいり・のしあわびず・ろっかく・じゅぼん)

錦手(にしきで)というのは金を使った絵付けのことです
まるで平安朝の絵巻物のように絢爛にして豪華
それでいてそこはかとない哀調も感じられます

隅入の六角鉢という技術的にも難しい技をさりげんく披露して
雄山鉢の水準の高さを示しています




ところで鉢に描かれた熨斗鮑の図ですが、みなさんは知っていますか?
おそらく知っている方は少ないと思います
じつは私も何が描かれているのかわかりませんでした
(自分が知らないことは、みんなも知らないと決めつけるこの傲慢さ)

しかし、それでは頒布コーナーに掲載しても、鉢の突っ込んだ解説ができません
弱りました、お手上げ状態です
絵の解説はなしにしてごまかそう、と思っていたところ

カミサンがニタニタしています
「なにニタニタしてるんだい、気持ち悪いぜ」というと
「おとうさん、その鉢の絵、なんだかわかんないの?わたし知ってるわよ」
自慢げに言うじゃあありませんか!

このオカチメンコが、簡単にいうじゃないかい
おれ様は専門家だよ、小鉢の!
内心ではそう思いましたが、藁にもすがる思い
ここは一応ご意見拝聴

という訳で見せられたのが↓の文様です


昔は、折り紙を六角形に折畳み熨斗鮑(のしあわび)を小さく切って張り
贈り物に添えたそうで、これはその熨斗の図案だそうです
(祝儀の袋には縦長の六角形のデザインがありますね、あれが熨斗だそうです)

また熨斗鮑とは、鮑の肉を薄く延ばし乾燥させたものだそうです

うーん、図案を見せられおまけにここまで説明されたんじゃ、くやしいけれど納得
それにしてもうちのカミサン、なんでこんなこと知ってるんだい
不可思議!!

ということでまたまた一つおりこうさんになりました


それにしてもこの散紅葉(ちりもみじ)の絵もいいですね


緑の葉が次第に色づく様が描かれています
デリケート!

2003年8月2日土曜日

夏の水管理

関東では昨日今日と本格的な暑さがやってきました
おまけに風が吹いているので乾くこと

ところで夏の管理ですが、、まず何よりも水、水、水ッー!
ですが、この夏は水やりの際一つの観察をしてください

人間の身体も夏には自然に省エネを心がけるように
盆栽達も真夏の盛りには根の活動を休めます

春の乾きは、蒸発だけでなく根の活発な活動によるのですが
真夏の乾きは、根から吸収されるより蒸発によるものが多いのです

ベテランの盆栽人は真夏になると「鉢が乾かなくなってきた、休みに入ったよ」といいます
毎日の観察によりそれがわかるのですね
ですからベテランは真夏の水のやり過ぎに気をつけるんです

そうはいっても現実は時間的にも余裕がありません
水切れ対策で精一杯ですね
ですから
植物の生理的なサイクルだけでも覚えておいてください
そして機会があったら観察してみてくださいね

さて今日は、毎日の簡単な手入れです


葉刈りしたいぼたの芽が伸びてきました
随時摘み込みをしてください


夏の芽摘みは日当たりや風通しをよくし
ふところ芽の成長を助けます


金露梅は水が大好き
水切れには十分気をつけて

芽もマメに摘みます
指先では摘みにくいのでハサミを使います


もったいないけど花芽も切る


床屋さんのように輪郭線にそって刈り込みます
こうすれば小さい姿を保てますしふところ芽や枝が元気になります


さっぱりしました

2003年8月1日金曜日

長寿梅芽摘み剪定

長寿梅は昔からある盆栽樹種ですが
30年前も今も相変わらずの人気ものです

人気の秘密は、第一に四季咲きの濃い緋色の花にあるといえますが
古色を帯びる木肌と野趣味にとんだ枝振りも通人向きです

ところで、昔は↓のような本格的な単幹の模様木はありませんでしたね
すべて自然体の株立ちでした
今と昔の樹形を比較すると、盆栽界における流行や技術の発展が理解できます

さてその長寿梅の剪定のポイントを箇条書にします
1 春の新芽はやや伸ばし加減にし木質化してから摘む(切る)
  その後も同じように木質化してから1~2芽残しが鉄則です
2 やご芽(親から株立ち状にでる芽)は随時刈り取る
3 不要な徒長枝も随時刈り取る
4 本格的な摘み込みの回数の目安は年に2~3回
5 剪定の半月前に肥料を与えておく


↑の模様木は剪定の時期になっています
やご芽は親幹の養分を吸い取ってしまうので、もっと早くに切り取るべきです


地際から刈り取ります
長寿梅は株立ちになる性質があるのでほっておいてはいけません


次に本体の剪定です
輪郭線に沿って一節ないし二節を残して切り込みます
もみじなどの芽摘みと違って、木質化した枝を切るという感じです


輪郭線の切込みが終わります
全体を見渡してもう一度姿を確かめて作業終了です


作業終了
見違えるようにきれいになりました

みなさんも実行!