2015年2月11日水曜日

スクール速報・ターさんのけやき箒作り

前述のツカさんのよき相棒でもあり
年の順でいくと長男と年の離れた末っ子くらい差のある弟分だし
その上よきライバルでもあるターさん

北海道出身の大らかな人柄で、加えてなかなか口もはっきりしていて
けっこう言いにくいこともズバズバです

けれど明るい気取らない人柄のせいで
それらの言葉がすべて楽しい笑を誘ってしまうからおもしろい

盆栽だけでなく、ギター、将棋と多趣味で
何気ない世間話でも話題がとっても豊富です

いわば、人生の達人とも例えられる
日常を楽しく生きる術をよく知っているのですね

さて、そんなターさんが持病の治療のために何日か入院することになり
可愛がっている幾鉢かを預かることになりました

その中からけやきの箒作りをご紹介することにしました
樹高はわずかに10cmですが、気配りの効いたターさんの培養のおかげで、なかなかに見どころがありますよ



正面からの図

ターさんの培養は、鉢をやや小さめにして
その鉢の大きさにあわせて多肥多水を避けた控えめな培養が持ち味です

ですから、芽の伸びや幹の太りはあまり促進されませんが
抑制された培養によって小枝に落ち着きがあります


裏側


正面の拡大図

しまった小枝とやや古色感を帯びた木肌の味わいが印象的ですね


樹勢も抑制されているので不定芽もそう多くはありませんから
枝元から枝先にかけての不要枝はほとんどありません

大きな仕立て鉢に入れてどんどん太らせているこの兄弟木と比べてみたんです
太さは倍くらい違いますが、盆栽の品格と雅味となると、これは比べ物にならない

というわけですね

さて、今季の剪定は輪郭線を整えるだけでオーライです
ターさんもそろそろ退院するころです

がんばってくださいね!!

2015年1月15日木曜日

スクール速報・ツカさんの安部性超ミニ

フリースクールの最年長者(私が2番目)ツカさんですが
その心身の若さと元気さはたいしたもの、見習わなくっちゃ!

先日も夜の11時半ごろにスカイプが呼ぶので応答してみると
なんとツカさんではないか!

「まだ起きてんの、ツカさん?!」
「やることいっぱいあってサ、とてもこんな時間じゃ寝る気にならないヨ」

ときたもんだ
お互い様ではありますが、まったくあきれた小父さんですね(笑)

ツカさんは工学部の機械科出身なのでPCに詳しく
その点では私も完全に負けてる感じなんですよ、悔しいけど

さて、今日はそのツカさんの安部性もみじの超ミニをご紹介しましょう


取木から作りかけた素材を買っていただいて、もう3年以上経ったと思います
もともと葉性の優れた安部性ですが、摘み込みによって個性的な樹形ができつつあります


後ろ姿


針金かけに頼らずに摘み込みによるハサミ作りに徹した効果で
素朴で個性的な趣がなんともいえない味わいです

矢印で示したのが主幹にあたる部分ですから
今年はこの部分に徒長枝を作って、主幹をもっと強調したいですね(↓の図)


こんな予想図を描いてみました

子幹の数は数本多いような感じもしますが、これらは急に減らさずに
主幹のでき上がりと歩調を合わせてバランスを取りながら徐々に抜いていきましょう

そして、今年1年は主幹作りに専心するとして
来春には似合いの化粧鉢に入れたいですね

化粧鉢に入れると培養はたいへんになるけれど
根も細かくなるので、それに比例して枝も密になりますね

山椒は小粒でピリリと辛いといいます
大いなる素質を持っていますから楽しみにしてますよ

では!

2015年1月12日月曜日

苔張りの効能

苔とくれば、「苔むす」と云うことばに代表されるように
石垣や庭園の古色蒼然たる時代感を演出する、日本人の美意識の中では大切な要素ですね

盆栽においても、苔は美的な観点ばかりでなく培養上もいろいろな効能を持っていて
地味ながら大切な役目を担っているんですよ

まあ、人間の場合は、「転石苔むさず」、つまり
たえず新しいことにチャレンジしていれば老いぼれない、といきたいものですが(笑)

ところで、植え替えたあとや展示会出品する場合などは
あらかじめ苔を多めに採取しておきます



1 手持ちの盆栽の鉢内
2 石垣や石塀

などの、なるべく水はけのいい場所に生えている乾性(かんせい)の苔がよい
湿気の多い場所に生えた湿性(しっせい)の苔は、見た目にも培養上もふさわしくない

採取した苔は、濡れた新聞紙などに並べて置き
冬期であれば凍らない冷暗所に保存する


植え替えたばかりのうぐいす神楽
このままだと

1 見た目が引き立たない
2 水やりの際に用土が流れ出してしまい根が露出したりする

そこで、採取した苔を使って化粧をしてやることにしました


事前に太さ1mmくらいの針金で長さす2~3cmのヘアピンを作っておきます


鉢の外縁を最初にして、徐々に内側へ向かって張り始める
大きな苔は数個にほぐし、微妙な起伏をつけながら張ると自然な味わいがでる


外縁の苔が崩れ落ちないように、あらかじめヘアピンで固定しておくとよい


同一でなく、色合いや質感、大小などの異なった苔で変化をつけると趣がでる
また、隣り合った苔のメジから表土が見えないように気を配るのも大切なコツです


苔張り完成です

うぐいす神楽の飴色の木肌と瑠璃色の鉢の色彩に
光り輝いた苔の緑がよく映えていますね

また、苔の培養上の効能として

1 冬季、根の保温の役目をしてくれます
2 夏季には保湿の役目をするとともに、外気の暑さから根を守る役目もしてくれます


後ろ姿


後ろ姿の拡大図

というわけで、竹ベラを持って近所の公園に行ってみましょう
丈の短いビロードのような苔が見つかるかもしれませんよ

では

2015年1月10日土曜日

梅の剪定・花芽と葉芽

桜と並んで日本人が大好きな花はといえば、それは梅に決まっていますね
そして盆栽界においては、花もの盆栽の最高峰としての実力と人気は云うまでもありません

ところがその梅の培養法となると、あんがいに誤解している初心の愛好家さんが多くて
特に小品からミニ盆栽の領域では普及率がイマイチの感じです

そこで今日は、当園で売り出している野梅の超ミニ素材を使って
剪定の基本をしっかり押さえておきたいと思います


野梅超ミニ

梅の新梢にある「芽」には「花芽」と「葉芽」があり
暮れごろになると「花芽」が少しずつ膨らんできます

現在ほんのりと色づいて膨らみかけているのが「花芽」で
それよりもウーンと小さくて殻のほぐれていないのが「葉芽」です

「花芽」には花蕾があって、花が咲いたあとにそこからは新芽が吹かずに
「葉芽」からのみ春の新芽が吹くんですよ

ですから、松竹梅の寄せ植えの梅などを盆栽に仕立てようとしても
ほとんどが「花芽」なので、花後の新梢はほとんど枯れてしまいますね

というわけで、ここがポイントです、よろしいですか

梅の芽には「花芽」と「葉芽」があって
春の新芽は「葉芽」からのみ吹いてくるんです


そこで、みなさんは「花芽」と「葉芽」の区別を見分ける必要があるんですね
↑は「葉芽」だけの新梢ですから、どこの節からも剪定できますよ


↑の赤点が「花芽」、つまり花蕾ですね
青点でしめしたのが「葉芽」、つまり新芽はこの殻に閉じ籠って春を待っているんですね

そこで、花後には先端に「葉芽」を残して剪定する
これが基本中の基本となります


↑の画像です

「葉芽」は単独だけでなく、「花芽」のある節にも付きます
「花芽」の裾脇にこげ茶色の小さな「葉芽」がついていますね


↑の画像

新梢の先端に「葉芽」、元に「花芽」のついた例
このような場合でも「葉芽」を残して剪定します


↑の画像

ほとんどの節に「花芽」と「葉芽」が一緒についている例
剪定がとても楽です


↑の画像

先端のみに「葉芽」がついて、あとは「花芽」ばっかりの例
しまった短い枝の場合によくありますが、この場合も先端を剪定してはいけません


A~Cまでの「花芽」の裾脇には「葉芽」はありませんから
1~8の「葉芽」を先端に残すようにして剪定してください


後ろ姿です

よく見ると、「花芽」の裾脇に「葉芽」がしがみついた感じで発見できることがあります
剪定の際には「花芽」と「葉芽」をしっかり区別して剪定しましょう

ちなみに、松竹梅用などの花芽のつき易い品種(花梅)の剪定の場合は
「花芽」の裾脇の「葉芽」をよく探し、その「葉芽」を残して剪定するようにします

また、4月末から5月上旬ごろに新梢の元の新葉を数節部分葉刈りすると
「花芽」と「葉芽」を同時につけることが多いんです

それでは、みなさん、今年もよろしく!
野梅のミニ盆栽にチャレンジしてくださいね

2014年12月15日月曜日

スクール速報・クロちゃんの山もみじ超ミニ

スクール開設当初からのベテランで
その技術も人柄も他の若い生徒さん達から頼りにされているクロちゃん

この人が作っている山もみじ超ミニ(樹高5.0cm)は
私の最も気になっている盆栽の一つで、折にふれて「クロちゃん、あの山もみじ元気?」と尋ねたりしています

そのせいか、たまにスクールに持って来てくれますが
今月の7日にお目にかかることができました

参考になるページ


2014/12/07 撮影

昨年あたりに見た時よりもいい感じです
順調ですね

子幹の枝先がかなりほぐれてきたので
全体の輪郭線にボリュームが出てぐーんと樹格が上りました

足元にも充実感がまして
とても5.0cmの超ミニでは思えないスケールの大きさです

あいまいな妥協をしないでじっくり育てるクロちゃんだからこそ
幾つかの難しい壁を乗り越えてここまで作り込んできたんですね

この先は、主幹の樹冠部付近の小枝作りが視野に入っている段階ですが
ぜひともその姿を見たいものです


しかし、どんな優れたものにだって問題がないわけじゃあないんですね
じつは、数年前に赤印の箇所より上がやや太り出して、その下がクビレ気味になってきました

そのため一時クロちゃんも、全面的な改作も考えたようですが
じっと我慢して経過を観察してきました

その甲斐あってか、今回見るとクビレの程度はかなり緩和され
この分ならば数年後には幹筋のコケ順も自然な感じへと進みそうですね


正面の姿をもっと拡大してご覧ください
いい感じですね

主幹のクビレが解消され
樹冠部の小枝がもう一息密になったときの姿が楽しみですね

ちなみに、この山もみじ超ミニに対し、クロちゃんは葉刈りは行っていません
芽摘みと葉透かしでここまで作り込んで来たのです

参考にしてください


後ろ姿

では、バイバイ

2014年11月26日水曜日

楓株立ち改作


改作前の頒布コーナーの画像

熱心な愛好家が20年前に取木をかけて作り込んだ楓株立ち
自然味にあふれた幹立ちと長年の丹精を物語る枝先のほぐれが見どころです

有している素質からみて、あと5年ほどの適切な培養を重ねれば
小品棚飾りの脇置きや三点飾りの添えとして、国風展など一流展示会に出品可能です

上記のような解説つきで現在も頒布コーナーに掲載していますが
改作中なので今では姿がずいぶん変わってきました

この先もどんどん変化しそうな勢いなので
一度その過程をご紹介しておきましょう


現在の姿

まず一番の変化は正面を替え、前枝を取り木して外したこと
それに、幹筋と枝分かれの基本を整えるために大幅な剪定を敢行したことです


頒布コーナーの画像

正面を変えたために赤点が前枝となってしまい、足元が隠れてしまいました
そこで、その枝に取り木をかけて発根後元から切り落としました


現在の姿

赤点で示した部分に手前に向かった前枝があったわけですね
それを外したために、足元の座や幹立ちの様子がよく見えるようになりました


そして、今までは四幹か五幹か一見してはわからなかったのが
足元がすっきりしたために、はっきりと四幹とわかってしまいました

株立ちは、一見で数えられない6や8になれば偶数でも差し支えありませんが
やっぱり4本幹はちょっといただけないですね、すぐに目算されてしまいますからね

じつは、それを見越して前枝を取り木しておいたんですよ
そうです、同じ葉性の苗木を赤点の位置あたりに植え込むためですね


取り木をした前枝

来春にこの苗を親株の根張りに密着させて植え込みます
木肌の古さと葉性は同じなので、枝ぶりさえ調整すれば、やがて根と根が癒着して同の株になります


現在の株に密着させて植え込んだ想像図


現在の後ろ姿


現在の後ろ姿の拡大図


現在の後ろ姿の足元拡大図

今後の培養方針

1 来春に1~3本くらいの取り木苗を親株の根元に密着させて植え込む
2 植え込んだ素材と親株との枝のバランスをとり全体の姿を整える
3 葉刈りや芽摘みによって小枝を密にする

機会がありましたらまたお目にかけましょう
毎年の充実が楽しみな有望素材ですから

では

2014年11月10日月曜日

地元の盆栽会・創立45周年記念展示会

さてさて、月日の経つのはまさに早いもので
私の住む千葉県松戸市の盆栽会が創立45周年を迎えました

私も相談役的な立ち場でずーっとお付き合いさせていただいたおかげで
中には家族ぐるみの交流をするなど、切っても切れない親友関係の方々もたくさんいらっしゃいます

ともかく盆栽が取り持つすばらしい人間関係ですが
年を経るごとにその有難さが身にしみて感じられます


11月1日に行われた懇親会
真中の赤いネクタイが会長の真嶋誠一さん

会員数は30名(女性2名)
懇親会への出席は20名、料理もおいしくて賑やかで盛り上がりましたよ


さて、45周年を記念しての展示会
30名中、27席の展示です

松戸市の施設なのでたった2日間の開催だったのが
ちょとばかり惜しかった!

ちなみに、この記念展示会での私の役目は展示の責任者
第一と第二に分かれた会場のコーディネートは難しいけど楽しませていただきました


入口には草もの盆栽を飾ってお出迎え


第一展示室には正面に真柏の大物を飾り
梅もどきの中品と菊花石を左右に配しました


展示室の中央にやや大きめの草もの盆栽を置いて季節感を演出しました


特別招待出品された水石2点


松戸市内の浮ヶ谷勝利さん愛蔵の加茂川糸掛石(いとかけいし)
水石界でもその名を知られた名品です


さて、盆栽に戻りましょう

中央の山もみじは国風展入選経歴をもった名木
落葉後の枝先の柔らかさが見られないのが残念ですが・・・


第一展示室から第二展示室へ移動しながら
小品や中品を見られるように工夫してみました


松戸市内の愛好家さんは大物サイズ盆栽中心の方が多いのですが
小品から中品専門の方も3名いらっしゃって、これがなかなかレベルが高いんですよ


第二展示室


第二展示室


第二展示室のメインは、順路の最後となる赤玉石を配した五葉松2点


右の根連らなり五葉松、佐渡赤玉石をはさんで左に五葉松吹き流し

ちなみに、盆栽飾りの基本から見ると、同じ樹種が隣同士にならないようにするのですが
次のような理由から並べて飾ってみました

1 他の出品物に両者と一対に配する適当なものがなかった
2 同樹種ではあったが、両者とも樹形がかなり個性的だったので、それほどの違和感がなかった
3 順路の最期の飾り席を力強い感じにまとめて、見終わった観客のみなさんの心に余韻を残したかった

以上、速報でした