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2016年1月4日月曜日

スクール速報・長寿梅

私が盆栽の世界に足を踏み入れた昭和40年代において長寿梅という樹種はまだまだ流行中の樹種という側面をもっていて、挿木などによる増産の最中でした

当時でも、名木と呼ばれるほどの逸品も稀に存在はしましたが
庶民が持っているのは下草程度のものがほとんどでした

ですから、とても今日のようなミニサイズでの逸品などは思いもよらず
骨組のしっかりした本格模様木などは、まさに夢のまた夢だったのです

さてそこで今日お見せするのは
若手ながらスクール歴ではかなりの古参になるベーちゃんの長寿梅

暮れに見えたときに見せてもらったとたん唸ってしまいました

1 やや斜めの立ち上がりの姿に迫力があってイイ

2 立ち上がりの根っ子の掴み具合がカッコイイ 

3 左へ差した枝に力があってイイ

4 小枝のほぐれがイイ

あまり褒めると褒めすぎになりますが
この長寿梅の適度な若さも魅力の一つになっているんです

盆栽は古色感をもっとも大切にするものですが
この長寿梅には、老いるはるか以前、つまり青年時代の命の輝きが溢れて見えます

だから、盆栽としてはまだ若い、つまり若過ぎるんだけども
そこに溢れる命の漲りは、将来性という意味で自身を強くアピールしているように感じらるのです

まあ簡潔に言えば、盆栽を鑑賞するとき、ましてや評価の要素を伴うときなどは
将来性の予測や予感は鑑賞者に強い影響力を与えるようです

というわけで、べーやん!
この長寿梅は夢のある樹ですから、頑張って育ててくださいね


樹高は約10cmほど
鉢は堀江美功さんの瑠璃釉丸

ちょっと鉢が大きいような気がしますね
植え替えの度に少しずつ小さくしていけば根に無理をさせずにサイズダウンできます


立ち上がりの力強さが一番の持ち味
間延びさせないようにしながら小枝を密に仕上げていきましょう

それではみなさん、今年もよろしく!!

2012年1月12日木曜日

姫柿取木素材

今年はじめてのつれづれ草です

気がついてみたら、昨年の12月中のつれづれ草は皆無
新年早々怠慢の我が身を恥じてしきりに反省しているところです

今年「も」ではなく、「は」がんばりますので
お見捨てなく、どうぞよろしく


昨年の10月にPart199でご紹介した姫柿の取木素材
(過去に販売した商品です)

松戸市内の親しい愛好家・Mさんが、数年前に私のアドバイスに従って取木をかけたものです

ところが、アドバイスした方の私はすっかり記憶喪失(笑)
でも、忠実に実行した愛好家・Mさんはしっかり覚えていました

さて、譲ってもらった当初はこちら側を正面にして作り込むつもりでいたんですが
スクールのクロちゃんが、反対の正面もある、そう言うので結論は植替えまで待つことにしていました


クロちゃん推奨の正面

植替えと剪定の段階になったので、すべての葉を落としてみると
どうもクロちゃんの意見が正解のような気がしてきました

私は樹髙の短縮ばかりに拘りすぎていたようですね


まず土を全部落として根の具合を確かめます
八方から発根しており、素晴らしい根張り、これを見たから嬉しさ倍増


ここが一番の急所である台木から取り外した箇所を検証すると
1.5㎝ほどの台木の切り残しがありました


白線にしたがって切り残し部分を元までしっかり削り込みます
取木素材ではもっとも肝腎なことですから、決して手を抜いてはいけませんね


新しく見出したクロちゃん推奨の新正面です

図のように、各枝は先端に水揚げのための芽をいくつか残したままの荒切り状態にしておき
春になって芽が動き出す直前に、↓のように再び切り込み直します

その理由は、寒中よりも芽出し直前まで待って切り込んだ方が
不定芽が多く吹きやすいからです


再剪定の予定図

切り込み位置の高さは12.5㎝


骨格の予想図

こちらの正面の特徴としては、傷っけの少ないやわらかな幹模様
枝順のよさなどが上げられます


後ろ姿

みなさも姫柿の取木(環状剥皮)で、姫柿の素材をゲットしてください
このような素晴らしい模様木が短期間で手に入りますよ

それでは

2011年1月14日金曜日

スクール速報・宮島五葉松

みなさん、今年もよろしく

ようやく正月気分も薄らいで普段の生活が戻ってきましたね
いかがでしたか、今年のみなさんのお正月は?

お正月は、めでたい気分には違いないけれど
暮れの正月の準備が始まるころから、仕事始めの4日くらいまでは、とにかくせわしなく疲れますな

若いころには、元旦は昼頃に起きてお祝い酒をやり、いい気分でまたまたごろ寝を決め込んで
2日と3日には、自分とカミサンの実家へ家族ごと押しかければ、あっという間に正月三が日は終わりました

なんて言ったって、実家の両親にとっての可愛い孫は(私たちの子供)はこちらの手中にあるわけで
歓待してくれなければ正月だって行かないよ、くらいのわがままな気分でした

ところが今では、その親不孝のつけはそっくり自分たちにはね返って来たんですね
せわしないなどと愚痴をいいながら、娘や息子の見え見えの駆け引きに簡単に屈し

カミサンは暮れから正月中、台所で立ちっぱなし
私は娘や息子の顔色をみながら、クリスマスプレゼントやお年玉で二人の孫のご機嫌をとっている始末

親父の威厳はどこへ置いてきたんだ! 母の強さを見せてやれー!(と内心叫ぶ)
だが、カミサンと二人っきりの正月よりはいくらかましか(と慰める)

さてそのあげくのはて、全員が引き上げた4日目には
精根尽き果てボロボロになって寝込んでしまったカミサンにかわって、スパーにおかずを買いに行った私でした

そんなわけで、今年最初の9日の盆栽フリースクールは
私のいつもの日常を取り戻せるいい区切りの一日でした(生徒さんありがとう)


さて、ご紹介す五葉松はターさんの五葉松模様木(宮島性) 樹髙28㎝

宮島性(みやじましょう)というのは五葉松の品種名で、銀色の締った葉で芽吹きがよく丈夫な性質が特徴です
変種のため接ぎ木から繁殖され、江戸時代から受け継げれ広く普及しています

しかし、戦後の盆栽の興隆期あたりから、接ぎ木であることや生産過剰やなどのため
一時は、大衆的なB級品種として扱われる時代が長く続きました

ところが近年、その葉性の美しさや強壮な樹勢などの長所が見直され
接ぎ木ものであっても、いいものはいい、という再評価の声がとみに高まってきています

そこで
私は新年早々

やはり接ぎ木であることから自信を持ちきれずいたターさんに
その偏見をぬぐい去り、自信をもって培養に専心することを説きました

この五葉松の美点はたくさんありますよ

1 まず、盆栽の要素として一番大切な古色感が抜群です
  宮島五葉がこれほどの肌を荒れを呈するまでの年月は、まず50年以上は経っています

2 足元から幹筋への模様がよく、表情も豊かです

3 左の一の枝と、それを受ける二の枝のバランスがまことによく
  てっぺんまでの枝順も秀逸です

4 南蛮と呼ばれる古い中国の鉢がよく似合っています(小さめなのがいい)
  この小さめの鉢での培養は、強壮な宮島五葉松であればこそ可能ともいえます
  


接ぎ木といわれる宮島五葉松ですが、木肌の荒れにより接いだ箇所がわからないほどですね


赤印の箇所あたりが接いだ箇所です
台木は黒松なので、よく観察すると木肌の荒れ方が上下でやや異なります

ところが、一言でいうとこの五葉松の場合、接ぎ口がかなり低い根元に近い箇所にあることが幸いして
逸品の部類に入る樹格であると評価されるもとになっています

低い接ぎ口と、接ぎ口が目立たなくなるほどの長い培養歴
これが大切ということです



南蛮と呼ばれる中国産の古い鉢

もともとは瓶の蓋であったのを、幕末から明治にかけての通人・文人たちが
その渋さに目をつけ、盆栽鉢として用いるようになって盆栽界に普及しました


後ろ姿もよく整っています

ターさんは約1日半ほどじっくり時間をかけて葉透かし、不要芽の整理、枝の部分的な矯正など
大切な作業を終了しました

今年の秋以降には全体の姿にさらにふくらみが出るでしょう

ターさん、この五葉松、自信をもっていいよ
大切にしてネー!

2010年8月13日金曜日

アマチュア・ミニ名人

まだ直接お目にかかったことはないが
私が内心敬服しているアマチュア作家がいらっしゃる

年に数回、私は人づてに作品にお目にかかるのだが
たくさんのミニ盆栽に混じっていても、それらは特別の輝きをもっているのですぐに目に入ります

先月にもフラリと仕入れに出かけた先の業者の棚に、後光の差したような逸品数点が目についたので
抜き出して価格の交渉に入って求めたら、なんとそれらがすべがその作家の作品であった

それらは、そこそこのミニ盆栽がずらっと並んだ多数の中に混じっていても埋没することなく
特別に光り輝いていたので即座に私の目を惹きつけました

やはり魅力のある盆栽は、こちらが目を皿のように探さなくとも
自ら輝いてその存在をアピールするので、私たちの視線はたちまち吸い寄せられてしまうのですね

さてそれでは、これら作品の魅力の秘密はどこにあるのでしょう
どうしたらこのようにひとの視線を吸い寄せる輝きがでるのでしょうか

この作家のミニ盆栽作品には

1 大胆でスケールの大きな構図
2 持ち込みの古さと、的確な培養管理
3 盆栽を引き立てる鉢の選定

の優れた三大特徴があります

もちろん他にも優れた点はありますが
この三点が他に抜きん出ています


杜松ミニ 樹髙5.5㎝

1 大胆に傾斜をもった立ち上がりと、向かって左の利き枝の力関係が絶妙のバランスを保っています
  まさに緊張感と動きのあるスケール大きな構図です

2 枝葉の長さはかなり抑制されながらも、植物としての生命力に満ちていますね
  この小さい目の鉢で、これほどの作柄を維持するにはかなりの努力と工夫が必要です


各点は1.0㎝単位です

3 約4.0㎝に近いボリュームのある立ち上がりですが、使用している鉢の直径は7.0㎝未満の八角
  幹径:鉢の間口の比率は約1:2に近く、鉢のサイズを目一杯しぼっていますね

  このミニ杜松がこれほどの力量感を発揮しているのは、この大胆な鉢使いによるものです
  また奥行きにも考慮して丸に近い八角鉢とし、培養面への配慮も感じられます

4 鉢に収まっている感じに、小さな鉢に押し込んだような無理がありませんね
  このことは盆栽を鑑賞する側からすると、かなり大切なポイントです
 
  展示会用の急場の仕事ではなく、普段からこの小さな鉢の中ではつらつと生気を放っている
  制作の早い段階から鉢を決め、細心の配慮をもって培養していることが見てとれます

  まさに脱帽!です
  

杜松ミニ懸崖 樹髙5.5㎝

5 ↑の模様木よりも鉢持ち込みが古い感じです
  その古色感は、立ち上がりから幹筋にかけての木肌の味や、枝先の繊細さに現われていますね


6 幹径:鉢の間口の比率は約2:5、つまり1:2.5
  この作家にとってはこれでも余裕の鉢サイズなのでしょう

  構図や培養面からはもちろんですが、鉢写りに対する細かい配慮が
  この作家を真のミニ名人に押し上げている理由だと思います

さあみなさん、あなたも真の名人になるために
構図、培養、鉢写りの3セットを見直しましょう

2008年6月14日土曜日

英国の水石愛好家(デイビット・サンプソン)

イングランドから友人のデイビットがやって来ました

明治神宮で開催されている「日本水石名品展」の見学し
日本の文化に触れながら、大好きな水石や盆栽の勉強に役立てるのが彼の目的です

この6年の間のデイビットの鑑賞眼と知識の進歩が
普段のメールのやり取りの内容や、会ったときの会話から強く実感できます

この3年間連続で来ているので、彼の来日はおそらく5度目でしょう
じつに熱心な趣味家です

過去のつれづれ草参照

そこで今回は、松戸市の水石愛好家浮ヶ谷勝利・弘子さんを訪問することにしました
浮ヶ谷家は近郊では数少ない専業農家で、農作業の合間にご夫婦そろって仲よく水石趣味を満喫しています

私としては、浮ヶ谷さんの収集品はもちろんですが、日本の伝統的な農業に従事するご夫婦の素朴で明るい人柄と
築60年という、昔ながらの農家作りの大きな平屋のたたずまいにも、日本文化に興味のあるデイビットに接してもらいたかったのです



左より  ウイル  デイビット  浮ヶ谷弘子  浮ヶ谷勝利  のみなさん

ウイルはデイビットの友人、アメリカ人で上智大学で江戸時代の文人画の研究をしている留学生
彼も水石や盆栽が大好きで、この3年間デイビットが来日するたびに通訳の役目もしてくれています

私を入れて5人、話題はもちろん水石や盆栽が中心ですが、日本家屋や日本庭園から
はては農業問題、食糧問題にまで及び、夕食をご馳走になりながら5時間も話が尽きませんでした

夜の9時、再開を約束して名残惜しく「バイバイ」

浮ヶ谷さん曰く

人間同士、人種や言葉も違っても、話あえば理解しあえますね
彼らは日本人以上に日本の伝統文化に興味が強く造詣も深いです
私らも、もっともっと自分たちの文化に誇りを持ち勉強しなければいけませんね、このままでは恥ずかしいです

デイビット曰く

今日は今まで知らなかった日本の農家の人々や生活とその空間に触れてみて、たいへん勉強になった
実物に接するのはなによりの勉強法で、日本の伝統文化に対する興味がますます強くなった

では

2005年4月28日木曜日

盆栽志願者(定年からの出発)

先日電話で約束したAさんが、昨日午前中にやって来ました
Aさんは大学を出て40年近くを文字通り「企業戦士」「会社人間」として頑張りぬき
最近定年を迎えたばかりの方

「盆栽初心者」というより正確には「盆栽志願者」と言った方がぴったりの超初心者です
理系の人らしく話し方も几帳面で正確、そして、盆栽を一から勉強して自分の趣味としてマスターして行きたいとのことでした

普通、盆栽愛好家はふとしたことから盆栽に興味を持ち、そのうちに盆栽友達が出来たりして
何気なく夢中になり試行錯誤を繰り返すうちに、いつの間にか盆栽趣味者らしくなっていく場合が多く

その何処かの過程で、私達のような盆栽専門業者と巡り会い
意気投合し長いお付き合いになるのです

ですから、巡り会った時点でも、たいがい何ほどかの盆栽知識を身につけているものですが
見たところも聞いたところも、Aさんの盆栽知識は限りなくゼロに近いのです

正直、このような「志願者」は珍しい
ともかく、Aさんの人柄を見て考慮した結果、「一から勉強」というAさんの意思を充分尊重しながら

「盆栽とはなんぞや?」なんて理屈っぽい面も教授し
Aさんが一人前の盆栽趣味者になれるように、ご指導して行くつもりです

今日のお話の要点は「盆栽と園芸の違い」についてでした

・ 園芸とは、花や葉など、植物美をそのものを楽しむもの
・ 盆栽とは、その植物をもって絵を描くこと

例え話のような、初歩的であいまいな説明ですが
目を輝かせたAさんは理解してくれたようです

振り返れば、5年前の私だってまったく知識なしの「パソコン志願者」たっだのです
デジカメを亀の一種だと思っていたくらい

がんばれAさん!


Aさんがまず手に入れたイボタの根連なり



出猩々の素材



けやきの箒作り

2003年8月23日土曜日

ネットで盆栽講評

新企画[ネットで盆栽講評]のトップバッターは山梨県の今再さんの真柏です
毎回掲示板に盆栽の画像を投稿していただいており
その力まないおおらかな人柄は掲示板のカキコの文章からも読み取れますね

さてそれでは盆栽のほうを拝見するとしましょう



挿し木の苗を、人工的にぐりぐりと捩じるように針金を掛けて仕立てたもののようです
葉は細かく色もきれいで、いわゆる葉性(はしょう)がいいです

1 将来目指そうとする樹形がはっきりしていません
  模様木はわかるんですが、芯の部分がうつむいているのが、いかにも無目的です

2 芯と枝に針金をかけて、目指す樹形の基本の図柄を出しましょう

3 その際、根元から捩じれた幹の味が、芯に行く部分で平凡になってしまっているので
  芯に近い箇所にも強い屈曲をつけてください、寸法も短くなり、一石二鳥です

4 葉は細かく色もきれいで、いわゆる葉性(はしょう)がいいので楽しみです

5 また足元からの曲がりがおもしろいので、ここを強調するような樹形を考えましょう
  芯の部分の幹、樹冠の輪郭はおおよそ赤線で示しました
  かなり追い込んで小さくします

6 以上の改作を試みて再挑戦してください

2003年7月10日木曜日

黄梅の持ち主



この黄梅の元の持ち主がわかりました~っ!
やはり只者ではなかったで~すッ

夕方遊びに来た懇意な愛好家の方が情報をは運んできてくれました

それによると、この黄梅の元の持ち主は
2年ほど前に市内の盆栽会に入ったばかりの新人Yさんでした

しかし、新人といっても国風展の常連さんで、松戸市の隣の隣の町に住む
このあたりでは知られた盆栽愛好家です
今年の国風展にも入選しています

私も以前から挨拶程度はしていましたが
Yさんのお庭は拝見したことがなかったので、推理の範囲外にありました

Yさんは大物盆栽が主力です
今回放出したのも、新しい大物盆栽の購入のために
棚の整理をするのが目的だったそうです

Yさんが人に頼んで値段に構わずに放出したので
特価で手に入ったんですね
納得がいきました

Yさん、お安く分けていただいてありがとーう
ついでにもっと売ってくださーい
(今度お会いしたらお礼とおねだりをいいましょう)

灯台下暗し
正解は年中盆栽会で顔を合わせている愛好家のYさんでしたー!

関連ページはこちら

2003年7月9日水曜日

もう一人の伯爵

昨日紹介した松平頼壽伯爵の他にもミニ盆栽の愛好家の伯爵がいました酒井忠正氏です

同じく「第16回国風盆栽展記念帖」より
国風盆栽会 副会長 伯爵 酒井忠正氏の出品作品の一部です
昭和17年3月5日~7日に上野公園東京府美術館で開催


(画像を大きくしてみました、よく見えるでしょ)

上段 五葉松・小蘗(しょうびゃく・難しい字ですね)
中段 楓・紅梅
下段 錦松・杜松・ソロ

調べてみると松平伯爵は貴族院の議長、酒井伯爵が副議長をやっています
戦前はある面いい時代だったんですね

伯爵っていえば元大名のお殿様です
その方たちが手ずから野山で採取し愛培したミニ盆栽を
国風盆栽展に飾っていたんですよ

ゆった~りとした時間の流れと文化を感じますね
今じゃ考えられないー!

2003年7月7日月曜日

だれが作った?



先週の土曜日(5日)に近隣の交換会で出会った黄梅です
私はこの黄梅を一目見て愛好家が長年丹精したものだと直感しました

やはり愛好家が友達から売却を頼まれて持ってきたそうです
その愛好家は古い付き合いのある方ですが

依頼主の名はあえて尋ねませんでした
もし知っている愛好家だと、割り切ったビジネスができにくくなるからです

10鉢ほどのなかでこの黄梅だけが際立っていました
でも幸いなことにこの黄梅に目をつけている人はいないようです

かなりベテランの愛好家でも、まあまあの盆栽が10鉢もあると、やはり目移りしてしまうんですね
これが幸いして、超安値でこの名品をゲットすることができました

ところで、なぜ私が愛好家の放出品だと直感したのかが今日のテーマです

私がおしゃべりをする前に皆さんのご意見も聞きたいですね
それらをお聞きしてから私の理由をお話しすることにしましょう
でも難しいかな?
正解のない世界です、感じるところを率直にカキコ下さい、よろしく

2003年6月30日月曜日

日本小品盆栽協会2



昨日の続編
日本小品盆栽協会の展示会風景もご覧になりましたか?

この団体の最大の特徴は、創立以来のアマチュア精神です

一口に小品盆栽といってもかなりの幅があります
まずサイズから区別すると

10cm以下(ミニ)
10cm~15cm(ミニと小品の中間)
15cm~20cm(小品)
と3つのジャンルに別れるでしょう

このなかでもミニ盆栽は
プロの作り屋さんが作っても利益の上がらないジャンルなので
戦前からアマチュア独壇場の世界です

その精神と技術は先輩から後輩へと受け継がれています

アマチュア恐るべしのページへどうぞ

  

2003年6月26日木曜日

忘れえぬ人々4(岸総理大臣のお気に入り盆栽屋)

昔は盆栽を愛好する大物政治家がたくさんいました
吉田茂総理大臣はあまりにも有名です

岸信介総理大臣もそれと知られた盆栽愛好家で
日本盆栽協会の会長も長く勤められました
そして私邸の庭には盆栽棚があり、たくさんの盆栽が培養されていました

その岸信介総理大臣の大のお気に入りの盆栽屋はMさんという人で
私達が若造のころ、すでにかなりの年配の爺さんでした

盆栽道具を包んだ色のあせた唐草模様の風呂敷包みを小脇にして
いつもよれよれの作業服を着て、風貌もさえないし無口でした

どうみても大物政治家お気に入りの盆栽屋にはみえません
Mさん人気の秘密は何だったのでしょうか?

或る夜、突然台風がやってきました
盆栽にとって風の被害は一番恐ろしい

一夜が明けて岸邸は大騒ぎ
なんと、庭中の盆栽という盆栽がすべて消えていました

てっきり盗難にあったと思った執事さんや女中さんたちは
警察に通報しようとしました

そのときMさんがのっそりと庭へ現れたではありませんか
「たいへんだよ、Mさん、盆栽がみんな盗まれちゃッたよ!」
居合わせたみなさんは口々にうったえました

ところがMさん少しも騒がず
広い庭の隅に立つ物置用の建物を指差すではありませんか

女中さんたちが戸を開けてみると
盗まれたと思い込んでいた盆栽たちがどっさり詰め込まれていました

Mさんが、急速な台風の襲来から盆栽を守るため
夜中に一人で非難させたのです
さすがMさん、またもや人気はうなぎのぼりです!

そのころにはこの屋のあるじ、岸総理大臣もお出ましになり
一部始終をご覧にになっていました

総出で盆栽を棚に戻し終わると、たちまちこの屋のあるじがいいました
「おいッ、執事クン、Mさんにおこずかいをやりたまえッ!」

Mさんの人気の秘密は、この徹底的な奉仕の精神、それと不言実行にあったのです
弟の佐藤栄作総理大臣の盆栽もMさんがしっかりと守っていました

以上折り紙つきの実話です

2003年6月25日水曜日

「趣味の山野草」より


江坂正子さんの作品集よりヒメサユリ

侘び寂びの雰囲気と可憐なヒメサユリの鉢植え

一点の灯を点したような明るさが
小さな灯篭のまわりをひっそりと照らしているように見えます

草物盆栽の方が前衛的ですね
和風洋風を問わず積極的に異種類の空間に進出しているみたいですね
このヒメサユリは洋風の玄関などにも似合いそうです

2003年6月24日火曜日

山野草


「趣味の山野草」月間です
栃の葉書房発行
定価1,050円
何気なく4月号を見ていると
武部くんのママと江坂さんの奥様が出ており
塩沢という方を入れて女流人気作家の特集です

それでは女流作家のお手並み拝見といきますか


武部くんとは仲良しなんです(年は親子ほど違う)
もちろんパパの武部さんとは旧知の仲です

ところで武部くんのママの作品
いけてますねー

ピンクの花(ケマンソウ)を主にした寄せ植えは
構図もよく雰囲気もあります
鉢の選定も秀逸です

武部くーん
ママに負けないようにがんばってくださーい!


江坂さんの奥様の正子さんの作品
ざっくりとした生地に月白均釉(げっぱくきんゆう)のような鉢の釉薬の色と
ホタルブクロの紫色とがよく調和して、さすがベテランの味ーッ
お見事です


さて塩沢香織さんの作品
中央に小葉のズイナを据えオレンジ色のカナダオダマキと
紅茅を配しています

2003年6月23日月曜日

はなたれ小僧



五十六十は鼻たれ小僧
七十八十は花盛り
九十でお迎え来たならば
百まで待てと追い返せ

と書いてあります
是好さんが好んで色紙に書いた文句です

いずれ俳諧とか川柳とか落語とか江戸文化に関係ある方面からの引用でしょう

ところで是好さんは巧妙にアレンジしているような気がしています
数字の部分です

五十六十から始るのはどうも不自然な気がします
四十五十(しじゅうごじゅう)から始る方が語呂もいいし、昔の人の平均寿命(五十歳)にも符合します

四十五十は鼻たれ小僧
六十七十は花盛り
八十でお迎え来たならば
百まで待てと追い返せ

是好さんは年勘定が現代の平均寿命に合うように
10歳ずつ年をずらせていると思いますが、皆さんはどう思いますか?

2003年6月19日木曜日

忘れえぬ人々2(中村是好さん)

戦前からの俳優でミニ盆栽愛好家の中村是好さんは
「昭和の花咲じじい」とも呼ばれました

晩年にはよく松戸に見えて、例の軽妙な話し振りは
さすがに年季の入った芸に裏打ちされたものだと思いました

住まいのあった東京葛飾の堀切から向島、浅草あたりの
ミニ盆栽愛好家の人気者で
あちらこちらの愛好会に呼ばれ、終生退屈している暇はありませんでした



「盆栽は 作るも楽し 見るもよし 侘び寂びありて 心常に豊かなり」
まさに是好さんの本音だと思います

是好さんはこのように、俳句や和歌、また盆栽を讃えることばに
洒脱な絵を添えた色紙をたくさん書き残しました

文字はすべてマッチの軸で書きました、署名もです
絵は二三本の小さめの筆を使って、瞬く間に書き上げます

行列を作って待っていても少しも慌てません
独り言をつぶやき頭をふりふり調子をとって、それは早いものでした

晩年の70歳を越して一回り以上年下の女性と再婚されたことを
私達に冷かされても
「そりゃーあんた、心配ご無用、私は現役ですゾ」といたずらっぽく笑ってました

是好さんがミニ盆栽界に残した足跡は
計り知れない大きなものでした

ちなみのこの色紙の裏に1977.6.22とあります
歳月が過ぎ去るのはじつに矢の如しですね

2003年6月8日日曜日

皐月展示会搬出

昨日(7日)は日本皐月協会主催の皐月フェスティバルの搬出日でした
場所は上野公園の池之端です

久しぶりにM3(えむさん)にお会いしました
M3は私の親しい真利子皐月園さんのホームページの管理人さんです
http://www.marikosatsukien.com/ueno2003/index.html

M3は皐月盆栽と小鉢の熱心な愛好家です
その激辛の鋭い切り口の語りで
盆栽をはじめ業界人の批評など、縦横無尽に切りまくりです

今はこういうタイプの愛好家が少なくなりましたネ
私らの若いころは
鋭い審美眼と独自の盆栽観を持った愛好家の諸先輩に鍛えられたものです

私の場合は、近所に有名な水石と盆栽の大家(愛好家)がいらっしゃって
鍛えられました
よく叱られましたネ、おっかない雷オヤジみたいなものです
しかしこれは非常に幸運なことでした(ズーット後になって気がつくものです)

いいですかみなさん、よく聞いてくださいよ!

盆栽業者のアドバイスは大枠では間違ってはいませんが
だいたい口下手ですし、まして愛好家に対して悪いことはいいません
生徒であると同時に大切なお客様ですから!

ところが盆栽人の中でも、愛好家のアドバイスはそのものズバリです
時によって、キビシーッものでがこの薬の効能は抜群です
(オヤジの説教と同じで後で効くようになってます)

愛好家は計算を度外視していますし
自分の大好きな盆栽のことですから、手間暇を惜しみません
だからすごーいッアドバイスになるんです

優れた先輩に巡り会うことが盆栽趣味向上の秘訣です

M3の管理する掲示板はこちら
http://village.infoweb.ne.jp/~fwkx6329/petit/petit.cgi

私の写真も載ってますよ
http://www.marikosatsukien.com/ueno2003/page/067.html

2003年5月31日土曜日

さつき展示会



私の住む千葉県松戸市にはさつき盆栽愛好会があります
私も設立発起人の一人として立ち上げに参加しました
30数年前のことです(月日の経つのは早いもんですね)

設立時に一番の若造でしたが、30数年経ったいまでも会員60名の中で
若い方から数えて4番目くらいです
これっておかしいですね

趣味の多様化も一因でしょうが、とにかく高齢化が進んでいます
若いのいないかなーッ

向かって左が花の部で一位、右が二位の作品です
きれいでしょ

さつきはミニ盆栽にも仕立てられます
挑戦してください!

2003年5月29日木曜日

女性専科講習会

今日は、何度もご紹介した茨城県龍ヶ崎市久保台地区公民館での
女性専科盆栽講習会です

私は午前8時半に家を出ました
約束の時間は10時です
車の流れは順調で珍しく15分ほど前に到着です

まず前回のテーマであった姫りんごの受粉から結実までの成果を検証
3分の2の人が成功
小指の先ほどに大きくなった姫りんごの実に強い愛着を感じていました

さて、今日のテーマは「山もみじの葉刈り」
彼女(一人だけ彼氏)らにとって、もみじの葉を刈り取るのは初めての経験です
ビックリしていました

早くも満一年間のお付き合いになりました
彼女らの自然を観る目は確実に変化しつつあります

盆栽を友とすることによって
身近な自然をより能動的に受けとめ
積極的にそれらと融合していこうとする繊細な神経が磨かれます

葉刈りの勉強をした彼女らは植物の持つ不屈の生命力を知り
また一段ステップを上がりました

過去のページ1
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もご覧下さい

2003年5月27日火曜日

木村名人



盆栽界で名人と言えばなんといっても木村正彦氏です
みなさんんもご存知ですね
その整形技術は神業と呼ぶにふさわしく神秘的でさえあります
一名「針金の魔術師」とも呼ばれています

前列真ん中、水色のワイシャツ姿が木村さんです
5月25日に松戸市の盆栽愛好会で訪問したときの記念撮影です

木村さんは名人にありがちないわゆる変人奇人型の人ではありません
穏やかで平明な人柄です
愛好家の初歩的な質問などにもじつに懇切丁寧に答えてくれます

私も年に数回は木村さんを含む少人数で食事をしたり飲みにいったりする機会があります
アルコールはあまり強くはありませんが、唄はうまいですよー

この日、庭でお茶をご馳走になり
名人とじかに盆栽の話をされたみなさんはほんとうに嬉しそうでした
案内役の私も甲斐がありました