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2010年7月8日木曜日

スクール速報・楓石付・梅もどき

持ち荒らした盆栽の骨格だけを利用し、以前とまったく違った姿への改作の魅力は
いちど味をしめると病みつきになるほどです

第一に、持ち荒らした素材は安価なので
うまくいったときのお得感は応えられませんな(笑)

もちろんうまくいかずに、安物買いのなんとやらになることもしばしばですが
ともく、骨格がしっかりしていて個性のある素材を物色するのが成功の秘訣です

さて、今日は常連のクロちゃんの改作作品をご紹介しましょう
寡黙で飄々とした風貌に似合わず、彼の発想は個性的でなかなか大胆です



私が半ば放り出して、待遇の悪くなった盆栽たちの中にもぐっていた楓の石付(樹高13cm)
3~4年前にクロちゃんが見つけ出した掘り出し物です

大きな傷がなかったのと、石を半ば呑み込んでしまった迫力とおもしろさ
さらに持ち込みの古い木肌の味に目をつけたのでしょう

そして、みごとに復活!
復活というより、再デビューの大ヒットといったほうが当たっています



石を呑み込みかけた根を幹に見立て、左と右に利き枝を配した構図がいいですね
変形の面白さに本格模様木の要素も加わって、堂々たる貫録です

クロちゃんが先週のスクールで葉刈りした姿ですが
赤点で示した二の枝の表情が特に目立っていますね

以前の姿を知っている私だけに
みなさんよりもよけいに、この楓のよさを感じるのでしょうね

枝に力と繊細さが加わるにはもう2~3年かかるでしょうが
クロちゃんならば安心です、きっとそこまでもっていくでしょう、期待しています



後姿



クロちゃんの改作作品・梅もどき(樹高16cm)

この梅もどきの以前の姿は知りませんが、クロちゃんの説明によると
手にれてから木の裏表を取り替えて作りこんだそうです

実物を見ると、根元の座の形や動きはもちろん
幹立ちのバランスまで検証しても、現在の正面が正解のようです

梅もどきという樹種は、根が綿のように軟らかく細いため
古木になるとこまめでていねいな培養が必要になります

この梅もどきも、枝先や木肌にかなりの古色感がにじみ出てきていますが
左の輪郭線のできあがりや、右のハネ出し部分のほぐれが今一息ですね

気合いを入れてがんばってください
梅もどきの株立ちとしては逸品レベルに達しています

みなさんも掘り出し物の素材を見つけ出し
改作にチャレンジしてください、楽しいですよ

2009年10月23日金曜日

秋の水やりの要点

秋も徐々に深まってそろそろ雑木類の葉が色づいてきました
このごろになると鉢によって乾く速度が異なってきて、水やりの加減も難しくなってきます

それというのも、夏の間は乾くたびに何度水をやっても過水にはなりにくいのですが
棚に並べた鉢により隣同士であってもかなり乾く速度が違うので、かたや水不足、かたや過水、そんなことがおきやすいのです

おまけにこれから冬に向って湿度が下がる一方なのが日本の気候
この湿度の低下も乾きやすい鉢のとっては意外な大敵となるのです

あの暑い夏の水やりをやっと乗り切ってホッとしたこの頃があぶない
これから冬に向って知らぬ間に水切れや過水をおこし、盆栽を衰弱させるひとが多いのでご注意、ご注意です



今朝(23日)の午前9時の乾き具合の見本(盆栽屋.comの棚より)、左は楓、右は梅もどき
だいたい午前9時から10時ごろが水やりの時間ですが、この時点でもこれだけの差があります



梅もどきは鉢土の表面はおろか、水穴の下からのぞいても、これ、この通り底の用土もカラカラ
この程度に乾いているとサット一回やったくらいでは、とても底まで水は回りませんね

表面が濡れたように見えても乾いた表面にはじかれて、案外底までは届いていないのです
やった水が一応しみ込んだと思っても、再度しつこくしっかりとやらなければなりません



かたや楓の方は、表面にもかなりの湿気が残されていましたのが
水穴の下からのぞく鉢底の用土も半乾きの状態で、ちょうどいい感じ

ですからこのような盆栽に対しては、普通の量を一回やれば十分ですね
過度な量をやる必要はないのです

このように同じ棚の上で毎日同じ量の水をもらっていながら
植替え年数や鉢の大きさや形状、さらには盆栽の元気度などさまざまな条件によって乾く速度がまちまちです

ですからみなさんは

1 普段からの各鉢の乾き具合をチャックしておき、乾きの早い鉢には回数もしくは水の量で調節する
2 水やりの工夫で対処が不可能なときは、表面に水苔などを張って調節する
3 乾きの速い盆栽と遅い盆栽を区分けして置き換えるのも一策でしょう

などの工夫をします

今日の格言

秋から冬の水やりは案外難しい、水やりは盆栽の基本中の基本です、なめちゃいけない!

読者のみなさん、コメントお待ちしていまーーす
可能な限りご紹介したいと思います

宛先

盆栽屋.comのメール
盆栽屋.comの掲示板

どちらでもけっこうです

2008年10月15日水曜日

梅もどきの素質

実ものが目に付く季節になりました
きょうは人気樹種の梅もどきについてお話しましょう

実もの盆栽の中でも落葉後の実成りの姿がとくに華やかな梅もどき
小さい葉と繊細な枝先も盆栽樹種向きです

しかしここで、この梅もどきを手に入れるときにみなさん(とくに初心者の方)に一言
「実の華やかさに惹かれて、大粒のものを買ってはいけません」

中でも「大納言」などという品種は、接木で仕立てた実が大粒で成りやすい園芸改良種なので
葉が大きく枝打ちも粗いため、小枝ができにくくとても盆栽向きではありません

実生から仕立てたもので、なるべく葉が細かく枝打ちが密な素材をみつけましょう
そのような盆栽向きの性質をもった梅もどきは、必ず実も小さめです

実生と接木素材との見分けは、足元の立ち上がりを見ればわかります
若い素材には接木の痕跡が残っていまから



実生の梅もどきの実と葉のようす
手持ちの中品を撮影したものですが、実と葉、枝打ちなどの性質は中程度です

中程度!?
そうです、実生ものの中にも、実や葉の大小や枝打ちの良し悪しがあるんです

まあ、あまりこだわっては本末転倒する恐れがありますが
できるだけ優れた素質をもった実生の素材を探すように心がけてください

2003年12月3日水曜日

梅もどき



梅もどきの株立ち

梅もどきは実物盆栽の王者といっても過言でない、確たる盆栽界での地位を確保しています
小さな真紅の実をつけるこの樹種の魅力を探ってみましょう

盆栽樹種としては一般に普及するには
長年小さい鉢での培養に耐えられる強壮な樹勢が必要で、まずこれが第一の条件です
普及しているほとんどの盆栽樹種は、この第一条件を備えているものです
その点、梅もどきも大丈夫、強い性質を持っています

根張りも長年の培養によりよく発達し、大木感を表現することができます
木肌も培養を重ねるごとに古色がまし、雅味がにじみ出てきます

さらに、実のない姿でも鑑賞に堪え得るほどに小枝が密にできることも
梅もどきの強みですね

実の小さめの品種がお勧めです
また葉の小さめなことも小枝がよくできる証拠です

そんな素材から挑戦してみましょう

2003年9月30日火曜日

実物の季節感



早い秋がやってきました
関東では朝晩かなり涼しく、まさに中秋の感じですが

一昨夜は大阪
昨夜は名古屋
同業者と二晩連続で電話で話す機会がありましたが
西の方は夜まで蒸し暑かったようです

ところで、そろそろ実物盆栽に色が出てきました
写真の梅もどきも赤と黄色に染まってとてもきれいです

霜の季節に真っ赤になった梅もどきも鮮やかですが
深緑の葉影に赤と黄色のまだら模様の今の姿も
中秋の季節感があって、捨てがたいものです

実物は秋
しかしそれだけでは単純です
初秋、中秋、晩秋と区分けして、もっと季節の移り変わりに敏感になれば
盆栽生活もより楽しくなるでしょう

2002年12月28日土曜日

小姓梅


小姓梅(こしょうばい)

小姓梅は梅もどきの姫性(八房性)です
仁丹粒ほどの小さい実がなり、ミニ盆栽として人気があります
培養も梅もどきと同じです

しかし、梅もどきの姫性とはいえ、梅もどきと幾つかの性質の違いがあります

1 実生、挿し木、取り木はできません(挿し木は100本に1~2本しかつきません)
  ですから、梅もどきを台木にして接木で殖やします

2 雌雄の別がないので交配しなくとも実はよく付きます
  (梅もどきには雌木と雄木があって、雌木に実が付きます
   その際雄木が近くにないと実の付が悪いのです)

可憐な小さな実をつける小姓梅、みなさん挑戦してください

2002年11月27日水曜日

千葉県盆栽名品展


酒井さんと最後まで小品盆栽部門のトップを争った箱飾りの一席です
箱のテンバは黒松
中段右は土佐水木
左は?
下段右は?
左は梅もどき
ハネダシは姫柿です

いかがですか?
全体のバランスもいいし、動きもあります


テンバの黒松です
一の枝にポイントがあって、なかなか迫力のある木です
鉢との調和も見事です

酒井さんはこの席と争ったのですから
初出品としてはお見事でした

追伸
この席にはとり立てて欠点は感じられませんが
欲をいえば、ハネダシの姫柿のところに
もう少しボリュームと動きのある木(懸崖もしくは半懸崖)を持ってくればよかったかと思います

席主はかなりのキャリアと思われます
はっきりいって、酒井さんの席よりも洗練はされていますね
しかし、箱の中の動きと変化に比べて、ハネダシがおとなしすぎました

2002年11月2日土曜日

隣の盆栽棚 1

私の身近なミニ盆栽愛好家の作品を3回にわたり紹介します
これらを観てご自分の盆栽棚を改めて眺めてみましょう

ご感想をメールや掲示板でくだされば幸いです

http://www.number7.jp/bbs/TM1844/




イボタです
けっこう古い木ですね
幹の強い曲と一の枝の表情がいいですね

木と鉢(月香作)の大きさのバランスが秀逸ですね


あおつづらふじ
細幹の柔らかい懸崖

鉢の転倒防止、うまく工夫していますね

鉢がやや重たいかな
色彩は白でいいでしょうね


梅もどき
どっしりした腰の低い木なので、やや大きめの鉢を使用しています
重たい感じもしますが、色彩的には見事に調和していますね

実物の場合、培養上のことを意識して鉢を大きくしているのだと思います
梅もどきは水切れに弱いですから

2002年10月12日土曜日


この真っ赤な実を見てください
まるで赤い真珠です

梅もどきは実物盆栽の王座の一角を占めています
その理由は

1 実がきれいで、春まじかまで実がついている
2 本格的な盆栽樹形を作ることができある
3 小枝もよくほぐれて、実のない季節でも鑑賞できる
4 幹肌が渋く、古色を表現できる
5 趣に品格を感じる

実物盆栽としてなくてはならない樹種です

ここで一言
梅もどきには「大納言」という種類があります
いわゆる、改良品種です
実が大きく、色もやや濃い感じです

実が付きやすく丈夫です
ただし、枝は粗く、葉も大きい
この種類は接木で増やします

この種類は盆栽として、適していません
本格盆栽にはなりにくい種類です

これが梅もどきだと勘違いしている方が多いので、一言です

2002年9月16日月曜日

梅もどきの実



実りの秋になりました
盆栽の実なりものはたくさんの樹種がありますね
いろいろと楽しめます
なかでも赤い実の代表的な樹種、梅もどきはなくてはならないものです

梅もどきは盆栽としても長所をたくさん具えています
ざっと言ってみても

1 実がきれいで品があり、長期間楽しめる
2 培養が容易で丈夫である
3 古くなると幹肌に味わいが出る
4 小枝が密になる
5 実生、取り木、接木などで多様な仕立て方が容易

イイとこだらけの感じですね

念のために申し上げますが、梅もどきは雌雄の木が別々にあります
ですから、雄木は花が咲いても結実しません

梅もどきの培養法を簡単にお話しておきます

・植え替えは春の彼岸ごろに、赤玉土に少々の桐生砂(約2割)を混ぜて
 3年に1回くらい行う
・春の肥料はやや控えめにして、秋に多目に与える
・春彼岸ごろ形を整える剪定をしたら、開花結実する入梅ごろまでは
 徒長枝以外の芽の先端を摘まない
・若い木は春先に新芽の先を細い針金で誘導して、枝作りをする
・開花結実の時期には絶対水を切らさない・肥料も控える(落果の原因)

一鉢もって、梅ももどきのよさを堪能してください