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2017年9月21日木曜日

胡蝶侘助根上り

胡蝶侘助椿(コチョウワビスケツバキ)は、深い緑色の艶やかな葉とピンク色の可憐な小輪の花が持ち味ですが、さらに時代感あふれる灰褐色の木肌の趣も、盆栽としての優れた要素に数えられます。

9月に入って間もなく、藪椿(ヤブツバキ)の愛嬌のいい根上りに出会ったことはお伝えしましたが、その興奮もさめやらない月半ばごろ、隣市の愛好家さんから胡蝶侘助の根上り樹形を譲ってもらいました。

私はギャンブルはやりませんが、その世界でいうところの「つらがつく」というやつで、盆栽の世界でも同じ傾向の樹種や樹形に続けて出会うことがあります。
侘助という椿の樹種名は、安土桃山の時代からあったようです。この椿を愛した千利休と同じ時代の宗全という茶人の還俗名から、そう呼ばれるようになったそうです。

3本の根上り状の樹形で、地面から上がった3本の根は樹高の三分の一あたりで一本の幹となり、さらに三分の一ほど上がって、さらにその上で樹冠部を形成しています。


一の枝付近の正面に小さな枝抜きの傷がありますが、年月さえかければ必ず肉巻き可能な傷です。さらにその上(下から二番目の赤点の箇所)に大きな切り傷がありますが、旺盛な勢いで肉巻きしているので(500円硬貨ほど)必ず数年で治癒します

一番上の赤点の幹にかかった針金傷はちょっとばかりやっかいですね。
時間の経過とともに目立たなくなるでしょうが、正直ちょっとばかり年月がかかりそうです。


ありがたいのは傷っ気の少ない根上り付近の様子。
持ち込みとともに時代感が滲み出て、貫禄が出てくるでしょう。

2017年4月21日金曜日

椿(胡蝶侘助)

椿の盆栽はあまり一般的な樹種とは言えませんが、地味ながら根強い人気があります
一般的でないのは、逸品と呼べるような本格樹形のものが少ないせいかもしれませんね

ただ、真冬から春にかけて濃い緑色の葉陰でひっそりと咲く風情はたまりません
そのあたりが日本人の好みにあうようです

盆栽人がおもに好むのは単色系の藪椿や小輪系の侘助などで
枝打ちが細かくて樹形が整いやすい品種です

今日はその椿を採りあげてみました
つれづれ草ではおそらく初めてだと思います


椿(胡蝶侘助) 樹高40×左右50㎝  幹の直径約6.0㎝

隣市の愛好家Sさんが山取りした藪椿のボディーに
接ぎ木を繰り返して胡蝶侘助に衣替えしたもの

この椿の見所は、如何にも山取りらしく捻転した根上り状の根っ子から
強く曲がった幹筋の様子です


立ち上がりから根上がり状の幹筋は、1の矢印手前までは山取り部分で
それより上部の1以降の幹や枝は、すべて衣替えで作ったものです

1と2の幹筋付近にもっと強い模様が欲しいのですが
椿では針金で曲がりませんから、芯の付近に強い曲をつけてバランスをとりました

また1あたりに不定芽が出そうなので、切り込みを強行して
幹の芯を建替えるという手もありましたが、ちょっと時間がかかり過ぎるようですから

今回はこの手でいきましょう


後姿


Bの部分は呼接ぎの接合部分
目立たなくなるにはさらにあと数年かかるでしょう

Cの赤矢印は、山取りの際の古い切り傷です
この傷も完全肉巻きは難しい感じですが

ただ、辛抱して培養を続ければ
自然に朽ちた山取り独特の味わいが出てきます

椿盆栽の培養ポイント

1 4月から5月にかけてが植替えや切り込みの適期

2 この椿のように、今頃に葉刈りを敢行して枝を追い込むといい

3 肥料も忘れずに(多肥・多水)

2015年4月13日月曜日

椿について

おもに盆栽に仕立てられる椿の品種と云えば
花は一重で小輪、葉もしまった感じのものが似合います

今日ご紹介するのは藪椿の系統に属する品種で出雲大社
小さめで筒咲きの濃紅な花弁が美しいことで知られています

他には詫び助なども有名で、その中でも赤詫び助、白詫び助
さらに胡蝶詫び助なども盆栽向きです


出雲大社の模様木

出雲大社は藪椿の中から発見された超優良品種ですが
他にも日本各地に自生する藪椿の中から、花の色や形が優れた品種が発見されています


一重小輪筒咲きの椿(出雲大社)、濃い紅色が鮮やかな名花です
枝も葉もこじんまりとして節間もよくつまるので盆栽向き

耐寒性にも優れ性質は丈夫ですから
培養的には楽な品種です

植え替えは花後の4月に剪定と同時に行います
夏場の乾燥にも強いのですが、水は多めにやった方がよく育ちます

あまり樹形にとらわれず自然体の樹形が似合います
ぜひ一鉢持っていただきたい樹種ですね

2012年4月22日日曜日

椿の小品盆栽

その昔、椿といえば庭木として楽しむのが一般で、たまたま盆栽を見かけても
多くは大きな盆栽でしたし、それも鉢植えの域を出ない感じのものがほとんどでした

でも最近では、普通サイズの盆栽はおろか
ミニサイズの世界にもなかなか優秀なものが見られるようになりました

高い技術と強い意欲と並外れた根気をもったひとがいるんですね
そのおかげで盆栽界も地味ながら日々進歩しています


樹髙15㎝ほどの「越前小薮」という品種の椿

やわらかな幹模様
とくに足元の安定感が目をひきますね


品種名は、越前地方の小輪の薮椿という意味ですね
花弁が開く前の蕾がふくらんできたところに、たまらない風情が感じられます


ところで、幹筋をよく観察してください
足元から幹筋の上部までは薮椿で、芯や一の枝はこの薮椿を台木にして接木して仕立ててあります

この薮椿の台木をこしらえるのには、実生した苗に曲をつけて5年もかかるんですよ
そして、さらに枝や芯を接木して3~4年の年月をかけたのが、現在の姿ということです

このように、ちょっと盆栽らしい姿を作り込むのに
かるく10年近い歳月がかかるんですね


出雲大社という品種
深紅の一重小輪で、昔から人気の高い名品種です

椿の花はふくよかに見えていながら
ひっそりとした趣も兼ねそなえた盆栽向きの樹種です

培養も容易ですからもっともっと流行ってほしい
そして、さらなる名木の出現が待ち遠しいところですね

では

2003年4月5日土曜日

花物盆栽の勧め


愛好家が秋田から穂を持ち帰り挿し木して8年作りこんだ
雪椿
細いけれど幹に古さがにじみでています


姫こぶしの蕾と花

春爛漫の花の季節です
流行歌にも唄われているこぶしの花は、このあたりの野山にも自生しています
ところが盆栽に仕立てると、花芽をつけるまでに何十年と持ち込まねばなりません

その点、姫こぶしは小品盆栽に仕立てても花芽がつきやすい樹種です
蕾の風情は、白い鳥のくちばしに似て可憐です

ご自分の好みでけっこうです
お好きな花物盆栽を見つけましょう!