2016年1月22日金曜日

真柏の掃除と化粧

冬の初めごろから暖冬だ暖冬だと騒がれいていたし
じじつ例年に比べて辛いなと思うほどの寒い日々はなかったですね

やっぱり、あのまますんなりとはいきませんでしたね
北陸から東北・北海道、あげくは九州まで荒れた天気になって列島中が震えています

まあ、1月の20日前後の大寒から2月初旬の節分くらいまでが
一年中で一番寒いのは毎年のことですね

ところが、盆栽界ではそろそろ春の作業の準備もしなくてはなりません
恒例の石灰硫黄合剤による消毒が済むと、こんどは植え替え用の鉢や用土の用意もあります

私も今年は大仕事が待っているんです
昨年取り木した舞姫もみじが100本近くあって、それらの根底の処理をせねばなりません

これから一人前の盆栽素材として育てていくためには
基本の骨格が大切なので最初に手抜きはできませんからね

さて、そんな毎日ですが今日はのんびりとした作業
真柏のジン洗いと石灰硫黄合剤での消毒とお化粧をしました

休眠中は水吸いが傷つきにくいので少々の手荒な作業も大丈夫
みなさんもやってみてください


掃除をする前に枝葉を水で濡らせておくと汚れが落ちやすいですね


水圧ポンプで掃除をすると効率がいいですね
でも、あまり無理をすると表皮を突き破って形成層を痛めないように


金ブラシや千枚通しなども併用して隅々まで汚れを落としてやりましょう


こんな感じです
あー、さっぱりした!


こちらもずいぶんきれいになりました


これから石灰硫黄合剤と水彩絵の具で本格的なお化粧が始まるわけです

2016年1月7日木曜日

スクール速報・超小実の姫柿新種

一年前の寒い時期
親しい同業者のムロの中にあったのを覚えています

姫柿としてはコンパクトな姿と力と変化のある足元からの幹筋の芸、が気に入って求めたのですが
実成りの時期になってフト気がつくと、成っている実のほとんどが直径1cm前後の超小粒でした

こんなに小粒な実は見たことない
詳しい同業者や愛好家さんに聞いても同じ返事でした

もちろん旧の持ち主にも問い合わせてみましたが、彼は在来の姫柿として入手したらしく
このような超小粒の珍品種であることさえ知らなかったのです

秋になって色づいてみると、ご覧のように在来の黄色系ではなく、赤味の強い系統であることも判明しました
昨年の夏ごろから新しい所有者はスクールの最ベテランのツカさんです

ツカさんは秋口に10本ほどの苗木を準備し
芽接ぎをかけて欲しい方にプレゼントしました

それに、この春には実生や根伏せという繁殖法も考えられますね
ツカさん~、みんな子供が殖えるの待ってるよ!

ところで私は、この新しい品種に命名することをツカさんと約束していたんですが
正月休みの間に、ない知恵とセンスを振り絞って考えついた名前は「小天狗」

天狗はイメージカラーは赤ですね
そこへ小とつければ、可愛らしくてしかもすばしっこい精悍なイメージもあると思います

ツカさん気に入ってくれるかな?
みなさんはどうお思いになりますか 「小天狗」?


2015/10/18撮影

盆栽としての正面はこちらでしょう


正面の拡大図


赤味が強い丸型の実


後ろ姿

今年の実成りはやや少なめにした方がいいと思います
実もの盆栽は一年おきに休ませるのが、樹形と樹勢の維持という点でお勧めですね

それでは

2016年1月5日火曜日

スクール速報・真柏のお化粧

スクールの常連さんの中では一番の若手、トリクン

27歳の時から通い始めて既に5年くらい経っているので
盆栽年齢はそろそろ中堅の入口というところでしょうか(笑)

集中力とその持続力が半端ではないトリクンのことは
水石の台座作りでご紹介した通りです

さて、昨年の最後のスクールでは、そのトリクンが所属している
住まいに近い他の盆栽団体の展示会へ、出品予定の真柏の化粧仕上げでした



樹高40cmくらい、味のいい真柏の文人調の古木

参照ページ         

展示会に出品するときには真柏の場合

1 枝葉の部分は枯葉や徒長枝を整理し、細かい部分は銅線で最小限の矯正する

2 ジンや水吸いのよごれを掃除する(金ブラシ・水圧ポンプ)

3 ジンやサバに石灰硫黄合剤を塗布する

4 つや出しのため口紅を薄く塗布してよく磨く

5 鉢の表面に苔を張る

などが化粧の一連の手順です

このように何時間もかけて準備して展示会に飾ってみると
ものすごく勉強になるんですね

というのは、一生懸命にやった人ほど反省点が客観的に見えてきて
ああすればもっとよかったのに!と思うものです

だから、その度に問題点が見出せて
進歩につながるんですね

当然トリクンも大きな収穫をゲットすることになるでしょうね
例の集中力と根気で何時間も頑張ったんですから

2016年1月4日月曜日

スクール速報・長寿梅

私が盆栽の世界に足を踏み入れた昭和40年代において長寿梅という樹種はまだまだ流行中の樹種という側面をもっていて、挿木などによる増産の最中でした

当時でも、名木と呼ばれるほどの逸品も稀に存在はしましたが
庶民が持っているのは下草程度のものがほとんどでした

ですから、とても今日のようなミニサイズでの逸品などは思いもよらず
骨組のしっかりした本格模様木などは、まさに夢のまた夢だったのです

さてそこで今日お見せするのは
若手ながらスクール歴ではかなりの古参になるベーちゃんの長寿梅

暮れに見えたときに見せてもらったとたん唸ってしまいました

1 やや斜めの立ち上がりの姿に迫力があってイイ

2 立ち上がりの根っ子の掴み具合がカッコイイ 

3 左へ差した枝に力があってイイ

4 小枝のほぐれがイイ

あまり褒めると褒めすぎになりますが
この長寿梅の適度な若さも魅力の一つになっているんです

盆栽は古色感をもっとも大切にするものですが
この長寿梅には、老いるはるか以前、つまり青年時代の命の輝きが溢れて見えます

だから、盆栽としてはまだ若い、つまり若過ぎるんだけども
そこに溢れる命の漲りは、将来性という意味で自身を強くアピールしているように感じらるのです

まあ簡潔に言えば、盆栽を鑑賞するとき、ましてや評価の要素を伴うときなどは
将来性の予測や予感は鑑賞者に強い影響力を与えるようです

というわけで、べーやん!
この長寿梅は夢のある樹ですから、頑張って育ててくださいね


樹高は約10cmほど
鉢は堀江美功さんの瑠璃釉丸

ちょっと鉢が大きいような気がしますね
植え替えの度に少しずつ小さくしていけば根に無理をさせずにサイズダウンできます


立ち上がりの力強さが一番の持ち味
間延びさせないようにしながら小枝を密に仕上げていきましょう

それではみなさん、今年もよろしく!!

2015年11月30日月曜日

山もみじ超ボディー

私が30代のころ、もみじの人気が高騰して
現在の価格と比較すると異常ともいえる高値の時代がありました

約10年も続いたその高値は、一部では危惧されながらも一向に衰えることなく
バブルの波にも乗ってその後も10年ほど続き、都合20年間ほど高値の時代が続きました

自ら作ることの喜びを感じさせてくれるのが雑木盆栽のだいご味ですね
その喜びを盆栽人が満喫した結果がブームとなって表れたのでしょう

その後いくつかの曲節があって、今ではバブルの崩壊など日本経済の影響などで
昔では考えられないほど手頃な価格に安定しています

考えようで、もみじ大好きの愛好家さんにとっては
安価で優秀な素材が手に入るなどいいこともたくさんありますね

つまり、欲得抜きで盆栽を楽しめる時代になったわけですね
このさい好きな樹種や樹形に思い切り没頭してチャレンジしてみたいものです


私が働き盛りの30代から40代ではこんな素晴らしい素質をもったボディーは
めったになかったですね

たとえあったとしても、目玉が飛び出るほどに高くて
商売人ですらなかなか買い切れなかったものです


優秀品といえど欠点がないわけではありません
幾つかの課題があるので一つずつ克服していきましょう

1 矢印で示した箇所の曲が角ばって見えるので角を滑らかに削ります

2 切り残した箇所が凸状になっているので滑らかに削りましょう

3 枝を抜いた傷痕の処理が悪いので幹模様が滑らかでない

4 この角度からは見えにくいが、複数の枝がかたまっているので整理する必要がある(後ろ姿を参照)


後ろ姿からも問題点を検討しておきます



掃除用具

手前から
千枚通し、カッターナイフ、又枝切り、カッターナイフ、金ブラシ


根張りを確かめて徐々に足元から上に向って掃除をしていきます
同時に不要枝の軽い剪定も行いましょう


やはり問題点は最初に挙げた4点ですね


やや上方から問題点を見る


後ろ姿


やや上方からの後ろ姿


掃除をしながらできるところは軽く剪定しておく
幹の削り込みや深い剪定は、来春に植え替え作業と同時にやればいい


白色の部分が不要枝や削り込みの箇所になります
幹や枝の模様に柔らかさが出るように心がけるのが雑木の手入れのコツ

枝の骨格を作るのに2~3年、その後の小枝作りとあわせて5年がんばれば
名木間違いなしですね

手頃な価格で逸品のボディーが手に入る時代になりました
もみじ大好き人間にはほんんとうにいい時代ですね

思い切り楽しみましょう!

2015年11月27日金曜日

けやき箒作り10年生

今年の春の記事参照

どちらかというとやや冷夏ぎみの、不順な天候の夏にもかかわらず
10年目を迎えたけやき箒作りの作柄は順調でした


春の植え替え時に太めの根を残らず剪定した効果でしょう
枝もよく分岐してごらんの通りです

「枝作りは根作りから」と先人の教えにありますが
やはり本当ですね

根がゴツければいくら芽摘みや葉刈りを繰り返しても
ほんとうの小枝の柔らかさは出ないものなんです

また、植え替えた年は幹は太りにくいのが普通ですが
あんのじょう、幹は目立っては太ってはいない感じです


昨年の画像よりも一段上がった感じです
やはり、小枝のほぐれがものをいっているようです


肥料もやや控え気味に管理したせいか
小枝の先がやや細めに仕上がったような気がします


輪郭線をそろえる感じで軽く剪定しました


やや拡大して見る


後ろ姿

大好きな盆栽ですが、商売でやっていると、10年も持ち続けているものは
ありそうでなかなかないものですよ

売り忘れて押し入れや引き出しの奥に眠ったままの小鉢や水石などはあるでしょうが
それらと違って盆栽は手入れの必要な生き物ですからね

このけやきも越冬すれば来年は11年目になるわけです
どのように変化成長していくか楽しみです)

それではまた

2015年11月23日月曜日

作る(織姫もみじ逸品素材)



織姫もみじは、あの舞姫もみじと同じ親木から生まれた兄弟種の小葉性もみじで
切れ込みが7つの葉が多く交るのが舞姫との目立った相違点です

その織姫の逸品素材に昨年からチャレンジしているので、途中経過をご報告しておきます
素材は立ち上がりの幹径が6.5cm以上あって、織姫としては極太の部類に入るでしょう

数年前に、この織姫は私の親しい同業者の持ち物だったんですが
タッチの差で買い損なってしまったんです

その後、某愛好家さんの持ちものとなり、大幅な切り込みや利き枝の呼び接ぎなど
骨格の組み立てがなされていたのですが、この度ひょんなことから買い取りのチャンスに巡り会えたものです

ご覧のように、根張りのよさと幹筋の模様など大きな将来性に恵まれた優良品なので
気合いを入れて取り組みたいと張り切っている次第です


今年一年の培養により骨組の作りがかなり進行しました
葉を落としてみると矢印で示した4~5点が主な課題点です


力強く大地を掴む根張りは八方に張っています
根張りからやや上がった地点での幹径が6.5cmとすごい太さです

左の一の枝に力があり、この織姫の骨格を作る上でのポイントの枝
その上の幹模様の外側には、右の利き枝(矢印1)が呼び接ぎされており、これも大切な枝となります

それでは問題点を5つにわけて順に解説いたします

1 利き枝になる重要な場所です
  慌てて一本にしないで、しばらくは2本のままで様子を見ます
2 背中にある大きな不要枝、来年度はこの枝の切り外しが大きな課題になります
3 前枝ですが、将来も必要かどうか今の段階では判断が難しいので
  しばらくはこのまま行きます
4 枝を外した痕がややコブ状に残っているので削り込みました
  来年の夏ごろには治癒します
5 この付近が樹冠部になる予定です


側面より(画面左が正面)

大きな課題は、背面にある太い枝
木の肥大を図るためにわざと徒長させたいわゆる「捨て枝」です

十分に役目を終えた、この枝を切ることが今年の最大目標になります
時期は入梅前の葉刈りの時期と思っています

一番の活動期に切れば肉巻きも活発に行われますね
完全肉巻きまでに2年を目標にしています(織姫・舞姫は肉巻き良好)


背面の不要枝をティシュで隠して見る


正面より

来年の春に切り外し予定の後ろ枝をティッシュで隠して見る
今年一年の培養により本格模様木の骨組がしっかりとでき上がってきました


足元の拡大図

次のご報告は入梅前後になると思いますす
お楽しみにお待ちください