2003年12月1日月曜日

姫柿

姫柿も盆栽樹種としてすっかりおなじみになったようです
中国原産の姫柿がさかんに繁殖され始めて約20年くらい経つと思いますが
当初の盆栽樹形は非常に幼稚な感じがしました

しかし、樹種の性質を飲み込むに従って
アマチュアでも↓のような本格的な盆栽を作ることができるようになりました

珍種貴種としてデビューしたものが本格的に盆栽樹種として認知されるには
盆栽界の人々を納得させる樹形の出現が第一の条件です
やはり観賞価値の高い樹の存在は、なによりも説得力があるのですね

15年ほど前、このクラスの姫柿を15万円で購入した記憶が蘇りました
その当時としては、破格の値段でしたので
同業者は皆あきれて笑いましたね


根伏せから仕立てた姫柿
幹模様がおもしろいですね


細長い実は、交配していない(種子のない)実です

2003年11月30日日曜日

姫こぶし

先日(27日)に姫こぶしの名木を手に入れました
みなさんも経験があると思いますが、盆栽との邂逅はある日突然にやってきます

この姫こぶしは、いつも立ち寄る同業者Yさんの棚の隅に、他の盆栽と離れて一鉢だけぽつんと置かれていました
Yさんはあいにくと留守でしたが、まさか売り物だとは思いません

てっきりお客様の手入れ品と思って眺めていました

それから他の同業者の店を数軒訪ね、家に帰ろうと思ったころ、突然先ほどの姫こぶしが気になりだしてきました
なぜ他の盆栽と離れて置いてあったんだろう?
姫こぶしが置かれていた預り物の棚の盆栽の中で、なぜあれだけが手入れ済だったのだろう?

無意識に車は迂回して、もう一度Yさんの店の方角へ向かっていました
Yさんは帰宅していました

「この姫こぶし売り物かい?」と聞いてみると
なんとなんと、今日売り物になった、という返事です
六感が冴えていました

お客さまからの預り物だった姫こぶしを
その朝、Yさんが譲り受けたそうです

ラッキー

あのまま帰ってしまったら
今日来なかったら
思うとゾッとしました

それから、懇願して譲受けたのはもちろんです
しっかり値切ることも忘れませんでしたよ

こうして姫こぶしは私の持ち物になったのです


取り木仕立ての姫こぶし
足元から幹の模様、枝順もばっちり

樹高は17cmぴったりです


枝ほぐれももう一押し


足元の曲
根張りも張りつつありますね
傷っけなんぞありません
木肌の時代感、ばっちり


後ろ姿
根張りのよさもわかるでしょ

2003年11月28日金曜日

雄山鉢考証3・雄山絶品

この項を書いている間に、昔馴染みの雄山の絶品に巡り会い手に入れたので
もう一日分「雄山の考証」を書くことになりました

この雄山鉢は 、雄山の文字を二重に囲ってある落款から
昭和50年代の作品と識別できます

絵は非常に繊細で、呉須の色調もいいようでし
形もすっきりとした仕上がりです

足の作りも小さめで、雄山独特の鉢底の装飾もありません
初期の作品はまことに簡素な印象です


湖畔に張り出した家並みが繊細かつ正確なタッチで描かれており
遠近感が巧みに表現されています


側面をのぞく角度より
ボディーの隅がくっきりと切れています
これは昭和60年代以後の作品にはあまり見られない特徴でしょう


落款は二重の線で囲まれています
これは昭和50年代の作品であることを示しています


足の作りはやや細め、低めです

2003年11月24日月曜日

雄山鉢考証2





みなさんはどちらが古いものだと思っていましたか?

幸い、雄山の場合は、落款により制作年代を推測できます
「雄山」という手書きの文字を一重にマスで囲ってあるのは昭和50年代
その後にも、同じく二重に囲うようになります

上の赤絵(1)は一重に囲ってあります

昭和60年代になると(2)のように囲わなくなり、「雄山」とだけ署名しています

一説によると作者自身が、自分の作品の制作年代の識別のために
実行したことであるらしい

これでおおよその制作年代はわかりました
それを念頭に入れて改めて鉢裏を見てみると
かなり印象が違いますね

(1)の簡潔さに比べて(2)が装飾的になっているのは一目瞭然です
作家というのはおもしろいですね

年とともに枯淡の境地に到達して簡潔な作風に到達する人もいれば
その反対の人もいます

雄山の場合は初期の方が簡潔で、晩年になるほどカキコミがふえていますね
興味深いことです





年代を知った上で改めて作品を見ると、また違った鑑賞の仕方も出来ると思います
勉強になりましたか?

2003年11月23日日曜日

雄山鉢考証1

藤掛雄山は、昭和11年の生まれの群馬県在住の現役小鉢作家です
経歴をみると、昭和47年ごらから小鉢の制作に入り
同49年ごろには絵付け鉢に専念するようになったとあります

陶芸の道に入って30年、織物図案とその絵付けはそれ以前に習得していたといいますから
絵付け鉢の作家としてのキャリアは実質50年といっていいでしょう

経歴をみて改めて思うことは、やはりこれだけの作品を作り出すのには
他人には見えない助走期間も入れれば
やはり人生の大半をかけなければならないということです

いまや現役では月香と並ぶ東西の人気作家の双璧です

ここに鶉を描いた大きさと形の似た二つの雄山鉢がありますが
おもしろいことに制作年代がやや違い、呉須と赤絵です
作風の変遷を考証してみましょう





形の比較
縁の大きさ、胴の反り上がりの角度、足の形などに相違が見られます
縁の大きさは見たとおりですが、足の形も下の方(2)が装飾性が強い
上(1)は縁も足も簡素な感じに仕上げている

絵の比較
上(1)の赤絵の線は細くはっきりしていて、地面の草の部分まで繊細に書き込んでいる
下(2)の絵は線がややおとない
足の文様は下(2)の方が装飾性が強い

どちらも上作であるが、作風の違いのようなものを感じます
やはり同じ作家の作品でも、時代によって作風がわずかに異なるようです

明日はそのあたりを考証してみましょう

2003年11月22日土曜日

紅葉・黄葉

おなじけやきでも紅葉するものと黄葉するものがあります
盆栽の場合、よく話題になるのは葉や枝の性(しょう)がどちらがいいという話題で取り上げられます

一般には紅葉するものの方が、葉が小さい、立ち性、節間(せっかん)が短い
などの特性を持っているといわれています

そこでけやきの実生を長年手がけているプロに聞いてみました
その結果は、確率からいえば一般にいわれているとおりである、ということです
ただし、例外はたくさんあるということです

つまり、けやきの葉や枝の性(しょう)は紅葉時の色だけが絶対条件ではないということですね

同じ親木から採取した種子からでも紅葉するものと黄葉するものは出るし
性(しょう)のいいものと悪いものとが出る、ということです
あとは確率の問題だけだそうです



紅と黄です
同じ親木から採取した種子から実生で育てたものです

これで安心しました

紅葉時の色にこだわらずに、あくまで木を見てその葉や枝の性(しょう)を判定すればいいのです

2003年11月21日金曜日

小品盆栽界速報



もう一枚写真を紹介しましょう

セリの風景を反対方向から見るとこうなります
左隅の上がセリ人で手前が検品係
私は赤の矢印の画面すれすれのところに座っていました

箱に入った品物がローラーの上を滑ってきます
小さくとも2,400っていう点数は半端じゃないです

みなさんかなり疲れていますが、セリは延々12時間続きました
慣れてるから、各人適当に息抜きしていますから案外スタミナ持ちますね