2002年11月28日木曜日

千葉県盆栽名品展


第26回千葉県盆栽名品展の最優秀賞(千葉県知事賞)は
この「山辛夷・やまこぶし」が獲得しました
出品者は柏市の染谷さん
おめでとう!

過去に雑木が最高賞を獲った記憶がありません
常に松柏類から選ばれていました

陳列が一段落した時点ざっと会場を観て歩いたとき
あッ、今回の最高賞はこれだな、と確信しました
国風展に入選経歴のある作品が他に4点出ていましたが
この山辛夷がダントツでした

審査の結果はやはり私の予想が当たりました
審査委員長も私と同じ意見でした

樹高は僅か45センチですが
足元も力強く、各幹の調和も見事です
さらに小枝の先まで神経が行きとどいて、繊細です
幹肌は真っ白にできあがり、縦縞がきれいです


この山辛夷の成長過程を私は約25年以上前から見ています
年下の親友伊藤さんがずーっと丹精してきたからです
当時から有望な素質をもっていました

伊藤さんはみごとにその素質を開花させました
年月をかけるという盆栽道の基本を厳密に守りながら
地道に育てました

年月をかけるという手法以上の技術はない
という見本のようなこの山辛夷です

楕円の薄鉢がもっとも似合うでしょう
それで国風展らくらく入選です
私が自信を持って請合います

みなさん、盆栽は年月との戦いです
といより、年月の経過を気長に楽しむ境地に達することです

2002年11月27日水曜日

千葉県盆栽名品展


酒井さんと最後まで小品盆栽部門のトップを争った箱飾りの一席です
箱のテンバは黒松
中段右は土佐水木
左は?
下段右は?
左は梅もどき
ハネダシは姫柿です

いかがですか?
全体のバランスもいいし、動きもあります


テンバの黒松です
一の枝にポイントがあって、なかなか迫力のある木です
鉢との調和も見事です

酒井さんはこの席と争ったのですから
初出品としてはお見事でした

追伸
この席にはとり立てて欠点は感じられませんが
欲をいえば、ハネダシの姫柿のところに
もう少しボリュームと動きのある木(懸崖もしくは半懸崖)を持ってくればよかったかと思います

席主はかなりのキャリアと思われます
はっきりいって、酒井さんの席よりも洗練はされていますね
しかし、箱の中の動きと変化に比べて、ハネダシがおとなしすぎました

2002年11月24日日曜日

千葉県盆栽名品展

賞の審査は初日に行われます
小品盆栽の部門は5席の応募がありました
私の見たところ、酒井さんの強敵は、箱卓の本格的な小品飾りです

いろいろ批評が出揃った後
最後に 審査委員長が、どっちをとりますか?
と各審査員に意見を求めました

この土壇場で、私が酒井さんの席を強く推薦することはできますが
それでは審査員の一員として公平中立の原則に反します(カッコつけてますね)
辛い!辛~いッ!

自分の意見をグット我慢していると
木の古さに差があります、こっち(酒井さんの席)だと思います
と、ある審査員が意見を述べました

う、うッ、うれし~い!
(こんど一杯おごってやろう)

ところが
私はこっちの箱卓の方がいいと思いますよ
と、もう一人の審査員が発言しました
(まいったな!)

宮ちゃんの意見は?
審査委員長は私の意見も求めました
(聞かなくったってわかるでしょうよ!)

審査委員長が決めてくださいよ
(見栄張って言っちゃった!)

審査委員長は黙って酒井さんの席を指差しました
黒松の古さと、長寿梅の枝ほぐれ、そのあたりが評価の決め手でした

初出品で初授賞
酒井さんのおじさん、おめでとう!


長寿梅
枝はよくほぐれています
鉢は丸系統のほうが映るでしょう


黒松
やはり鉢の選定に一工夫欲しいですね
植え付け角度も研究の余地ありです

授賞したから、逆にこれからは甘やかしませんよ、酒井さんのおじさん
ビシバシいきます

2002年11月21日木曜日

年下の先輩


地元の盆栽仲間の向かって右が酒井さんと左が唐尼さんです
11月24日から開催される千葉県展に酒井さんは小品飾りを出品するつもりです
その準備で、私と唐尼さんが酒井さんの家に来ました

小品飾りは事前の予行演習が必要です
直前になって、実物や花物の予定が狂うことがあるからです
案の定酒井さんも、出品予定の盆栽の実を鳥に食べられてしまいました

こんなアクシデントはつきものです
丸い小品棚のメインは自作の姫柿です(これは無事)
その右下に予定していた梅もどきが鳥害でアウトです


木の流れは左です
樹種と大きさと流れを考慮して、私が10鉢くらい用意した小品の中から
実際に飾って検討を重ね、半懸崖の長寿梅に決まりかかりました

ところがまた問題発生!
姫柿から一段下がった中段ですと、長寿梅が低すぎます
飾り棚のなかでの高低のバランスがとれません

そんなときは、小さな卓を使って高低を調節しますが
酒井さんの手持ちの卓では低すぎます
困った!

突然唐尼さんが、自分の手持ちの卓台の脚を切って、貸してあげるといい出しました
そして、躊躇している二人を尻目に、自分の高卓の足を切ってしまいました
持つべきものは友達です!

脚を短くした卓台を長寿梅に使ってみると、ピッタリ
上段の姫柿、中段の長寿梅、下段の草
丸い小品棚の中は、調和がとれて、見違えるようになりました

さあ、明後日は県展の搬入だ、張り切っていこう!
酒井さんは年下の先輩、唐尼さんに励まされて元気いっっぱいです

2002年11月20日水曜日

向きを替える

盆栽の改作の一番簡単な方法は木の向きを替えて
新しい正面をさがすことです
簡単で最も重要なことです
新しい盆栽に接したベテランは、必ず新正面がないかどうかをさぐります


さて、けやきの葉も落ちて、枝がよく見えるようになりました
以前から新正面がありそうだと思っていたので、検討してみました

現在の正面では、枝分かれの部分が二又です
悪くはないけれど、できれば奥行きを感じるような枝分かれがほしいです

下はやや右側面から見た写真です


いかがですか?

けやきの箒作りらしく、枝分かれの部分に奥行きと変化が出ました

ちょっとの工夫です
ハサミを振りかざしてちょん切る前に
よ~く観察する習慣をつけてください

2002年11月19日火曜日

4幹から3幹へ

楓の4幹です
株立ちの場合、幹の数は奇数本にするという原則は知っていますね
6本以上になると、それほど気にすなくてもいいと思います
一目で6本とか8本とかは、わかりませんね

ですが、この木のように4本はまずいですね
数えなくとも一目でわかっちゃいますから




この楓は、小さくつめて持ち込んだ古い木です
取り木仕立てです
主幹と副幹がうまく寄り添っています
両脇のハネダシも動きを出しています
しかし、惜しいかな4幹です

3幹にするには引き算で1本切ればいいことですが
どの幹を抜いたらいいかわかりません

両脇のハネダシのどちらかをきることにします
どちらにしようか迷うところです

そんなときには、ティッシュ作戦敢行です!


まず左側のハネダシをティッシュで隠してみました
ずいぶんイメージが変るものです
これは正解ではなさそう
みなさんもそう思うでしょ?


次に、右の幹を隠してみます
どーです、みなさん、これが正解ですね

右のハネダシに代わって、主幹の一の枝が右への流れのバランスをとっています
あとは主幹の丈をやあy伸ばしてやるだけです


ハネダシの切り取り


えぐるように切る


傷口にはカットパスター(癒合剤)を忘れずに
このくらいならひと夏でふさがります

時期的にも
もみじや楓の完全休眠期、10月下旬から11月下旬は適期です

2002年11月15日金曜日

地元の展示会より


酒井さんの一席
この人も最近伸びてきましたね
やはり、飾りに挑戦し始めると目に見えて向上してくるものです
年齢のことはなるべくふれたくないんですが
酒井さんはかなり以前に定年を迎えたかたです
がんばってますよ!

飾り棚の中は上から姫柿、中段が姫りんご
下段は石付の草
ハネダシは黒松と草

さて、席についてですが
酒井さんの使っている丸窓型の飾り棚は、けっこう難しいんですね
また、ハネダシに大き目の木を配するのは良く見かけますが
これもけっこう難しい

ここでこの一席の修正のポイントを述べます

1 飾り台の上段中段とも、実ものを使っていますが
  中段に雑木(もみじや楓)の、やや小さめの柔らかいものを勧めます

2 下段の草は、もっと小さいのと取り替えたいです

3 ハネダシの黒松の卓台が高過ぎます
  普通の高さで充分です
  この高さだと、丸型の飾り台と調和がとれません

以上の3点を修正しただけで、調和と変化のある空間を生み出すことができます

おほめの言葉
姫柿を上段に持ってきたのは秀逸です
このやわらかさと風情を保ちつつ、斬新な飾りを目指したいですね
丸型の飾り台でよくここまでがんばりました

掲示板にご感想下さい
http://www.number7.jp/bbs/TM1844/